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ぼくと「未帰還兵」との2年8ケ月

「花と兵隊」制作ノート

ぼくと「未帰還兵」との2年8ケ月

ドキュメンタリー映画「花と兵隊」の監督によるもうひとつの「戦後」の記録

著者 松林 要樹
ジャンル 社会 > ジャーナリズム
出版年月日 2009/09/14
ISBN 9784886836564
判型・ページ数 B6・254ページ
定価 本体1,600円+税
在庫 在庫あり
 

目次

第一章 「未帰還兵」とぼく
第二章 藤田松吉との出会い――「花と兵隊」製作へ 
第三章 タイ・ビルマ国境――坂井勇と中野弥一郎
第四章 戦犯、泰緬鉄道、逃亡兵
第五章 帰還将兵と残留兵と
第六章 土地に根を張り生き残る
第七章 最終取材
エピローグ

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内容説明

地獄のビルマ戦線を生きぬいた元日本兵。
なぜ、現地での生活を選んだのか?
彼らの生きた人生は一体どういうものだったか?
ドキュメンタリー映画「花と兵隊」の監督によるもうひとつの「戦後」の記録。

〈六十余年前、何の情報もない異国で、その土地の名前すら教えられず、祖国に顧みられることなく、屍となった兵隊たちがいた。兵隊たちは、二〇日分の食料をカタツムリのように背負わされ、補給もままならない状態で東インドに攻め行った。無謀な作戦として有名なインパール作戦である。インパール作戦を含めたビルマ戦線には、三三万もの日本の将兵が送り込まれ、戦没者は一九万人にも達する。そのほとんどが、物資の補給もなく、飢えと風土病で死んだ。
 その地獄の戦場を経験した兵隊で、戦後も日本に還らずに、かの地に根を張った「未帰還兵」の存在を知った。「未帰還兵」とは、映画監督・今村昌平が一九七〇年代に作った名前であり、敗戦後、日本に帰還せず、現地で生活をした日本兵のこと指す言葉である。未帰還兵は、戦前の日本の教育を受け、戦後日本の発展をはるか南方から眺めた。戦前のままで止まっている彼らの日本の記憶、価値観、家族。年をとるごとに募ってゆく日本に対する思い。ぼくは、彼らの生きた人生が一体どういうものだったのか、知りたいと強く思った。
 二〇〇六年一一月から二〇〇九年七月までの二年八ヶ月、タイ国内で泰緬国境付近やバンコク市内に暮らす六名の未帰還兵の家々を訪ね歩き、幾晩も彼らの家に泊まり込み取材を続け、今は八〇代後半から九〇代前半にさしかかる未帰還兵を追った「花と兵隊」という記録映画を作った。この本は映画の制作日誌といっていい〉(「まえがき」より)

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