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種子島から「日本」を考える授業

初期社会科の理想を求めて

種子島から「日本」を考える授業

子どもたちにどのような社会認識の変化と成長をもたらしたのか。地域社会を問い直す教育実践。

著者 白尾 裕志
ジャンル 政治・経済・教育 > 教育実践
出版年月日 2014/11/28
ISBN 9784886837707
判型・ページ数 B5・112ページ
定価 本体1,800円+税
在庫 在庫あり
 

目次

はじめに
 戦後社会科の草創期「山びこ学校」(無着成恭、1951年)への想い
 小学校の社会科教師として

第1章 「種子島のさとうきび」から考える
 (1)種子島のさとうきび

ⅰ 種子島の概況
ⅱ 種子島のさとうきびの歴史と現状
ⅲ さとうきびの栽培と製糖
ⅳ 砂糖の生産過程
ⅴ 教育内容づくり

(2)子どもがさとうきび農業を考える

子どもが主体的に考える~三つの「問い」~
  学習問題1「さとうきびはどうやって作るか?」
学習問題2「どうやって砂糖を作るか?」
学習問題3「種子島のさとうきび作りが盛んになっていくために大事なことは何か?」

学習問題1「さとうきびはどうやって作られているか?」
第1次調べ学習~「さとうきびは続いてほしい」(明子)~
「なんで作る人が減っているのに、作る面積は増えているのだろう?」(さゆり)
学習問題1のまとめ~「さとうきびは時間をかけて育っている」(春菜)~
さとうきび農家の佐山さんの話~「やはり農家はいろいろ知っている」(さつき)~
学習問題2「砂糖はどうやって作られているか?」~「粗糖はさとうきびのにおい」(穂香)~
町役場農林水産課の高田さんからの資料
第2次調べ学習~「やっぱりパソコンで調べると早かった!」(健文)~
製糖工場の宮崎さんの話~1,500トンのさとうきびから約170トンの粗糖が作られる~
TTP問題~「TPP問題は日本全体で考えるべき」(舞)~
学習問題3「種子島のさとうきびが盛んになっていくために大事なことは何か?」
「国会は東京のど真ん中にあるので、農家のことを考えてないんじゃないか」(悠太)
「TPPに入って、後からやめる」(由紀・理恵)
「日本産を買うか、買わないか」
「TPP問題は奥深い問題」(早紀)
    学習のまとめ「種子島のさとうきび作りが盛んになっていくために大事なことは何か?」
勝也の考え方の変化
TPPのメリットから「みんなが納得する解決法」へ~和哉のまとめ~
「日本の文化とTPP」(あおい)
「さとうきび農家に立ち返る」(明子)
製糖工場の見学
「種子島のさとうきび」を学習して(感想)(通信No.27~30)
黒糖作り体験活動
学習した目でさとうきび農家を書く


第2章 「種子島の酪農」から考える

(1)種子島の酪農

ⅰ 種子島の酪農の歴史
ⅱ 酪農家をめぐる状況
① 酪農家戸数の減少と多頭化
② 酪農家減少の理由~乳質検査の厳格化~
③ 飼養頭数の変化と乳量の変化
④ 酪農家 安田さん
  ⅲ 牛乳メーカーの生産過程

 (2)子どもが酪農を考える

子どもが主体的に考える~四つの「問い」~
学習問題1「酪農家はどのような仕事をして牛乳を生産しているか?」
学習問題2「牛乳はどのように生産されているのか?」
学習問題3「乳牛や乳量が増えているのに酪農家が減っているのはなぜか?」
  学習問題4「酪農家が減らないようにするためには、どうすればよいか?」

予想の絞込みが調査への意欲につながる~「牛乳は牛の乳をそのままパックにつめている」(晃成)~
一人の調べるエネルギーをできるだけ広げ、友達と共有する
子どもが調べた具体的事実から教育内容としての一般性を探り出す~教師の仕事・教師の社会認識が先行していることの重要性~
新たな重要な「問い」との出会い~「最後は肉になる」ことをめぐる子どもたちの考え~
できる限り調べて自分たちなりの考え方をもった上で、最後の「調べ学習」として「答え」と出会う
学習問題2「牛乳はどのように生産されているのか?」~安全・安心のための厳しい検査~
学習問題3「乳牛や乳量が増えているのに酪農家が減っているのはなぜか?」~事実に基いて考える~
学習問題4「酪農家が減らないようにするためには、どうすればよいか?」~学習したこと・生活の経験を生かして考える~
生乳のブランド化と地域の酪農
学習問題解決のための体験活動~社会認識の深化のために~
体験活動1「乳牛とふれあおう」(2時間)〔7月17日(水)〕
体験学習2「種子島牛乳」を使って、「種子島バター」を作ろう(1時間)〔7月18日(木)〕
知識の総合化としての学習のまとめ

実践のまとめ
① 地域の酪農から日本の農業を考える
② 酪農家の現実から展望をひらく
③ 子どもの社会認識の積み重ね


終 章 種子島から「日本」を考える

子どもたちの追究を可能にしたもの
地域にこだわること
もうひとつの社会科・総合学習実践「種子島のさとうきび」
TPP問題をめぐって子どもたちが問題にしたこと
「今のままのTPPがないままでいい」(百合)
「私は消費者」(彩夏)
「自動車と農業、どうやったら共通するか」(帆夏)
「食べ物を外国に任せて大丈夫か」(高志)
「日本は工業だけの国になってしまう」(勇介)
TPPは環境と国をこわすことと同じ(祐司)
「日本全体から見ると、TPPは進んでいいんじゃないか」(彩夏)
「日本全体が幸せにくらせているのは『農業』があるから」(百合)
TPPと種子島・日本


参考文献

おわりに

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内容説明

“日本全体が幸せに暮らせるのは「農業」があるからでしょ?”
子どもたちが見せた地域産業への「問い」。そこから教育内容を取り上げ、子どもたち自身が調べ、考え、表現する社会科の授業。これは子どもたちにどのような社会認識の変化と成長をもたらしたのか。地域社会を問い直す教育実践。


〈この本では、「小学校の社会科教師」として最後の赴任地である種子島の中種子町立野間小学校で取り組んだ1年目の社会科・総合学習「種子島のさとうきび」と3年目に取り組んだ社会科・総合学習「種子島の酪農」の実践を基に、その内容を紹介したい。種子島という本土から離れた離島の中種子町という小さな町のさとうきび農業と酪農業を通して、私は地域と同時に日本の農業までを子どもたちと共に見つめようとしてきた〉「はじめに」より

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