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人生の同伴者  新刊

ある「在日」家族の精神史

人生の同伴者

在日一世の父と母。彼らの努力と挫折、相互の葛藤、そして彼らの子どもたちとの情愛と軋轢、多様で重層的な関係を活写する。

著者 玄 善允
ジャンル 社会 > 在日
出版年月日 2017/08/10
ISBN 9784886838230
判型・ページ数 4-6・424ページ
定価 本体2,900円+税
在庫 在庫あり
 

目次

第一部 成長過程の僕と両親
  第一章 母と子の幸せ
一 あくびと涙
二 食い意地と市場通い
三 鼻医者とチキンラーメン
四 一念
 弟の怪我/医師の宣告と母の一念/当事者意識
五 「阪神裏」通い
 とっくり襟とV首セーター/頼母子講の集金と冷や汗体験/母の買い物術
六 年越し
 年越しの準備/元旦の挨拶回り/正月の繁華街巡り
七 共同作業

  第二章 僕の特権化と脱出願望
一 家族との偶然と必然
 兄/妹
二 コウバ
 もう一つの暮らしの中心/コウバの脇役/「コウバの申し子」
三 幼児性もしくは下【しも】の不始末
四 刷り込み
五 暗い家
 地域の激変/父の仕事と酒と病気/人々の支え
六 父の女性関係
 夜の張り込み/修羅場
七 母の不安と勘
 母の不安の根源/読み書き能力の欠如と不幸/ハンディを埋めるはずの勘
八 脱出の企ての行方
 セカンドハウスの誕生/「アッチ」の住人/母の掌の上での自由/更なる脱出の試み


第二部 両親の来歴と渡日後の生活
  第三章 両親の来歴
一 母の済州暮らし
二 母の旅立ちと大阪暮らし
三 父の済州暮らし
四 父の大阪暮らし
五 コウバの創業と父の変貌
 地縁が呼び込んだ創業/一国一城の主/悪癖の始まりと「本来」の父
六 父が不在の済州――わが一族と四・三事件その他
 浮かばれない死者たち/行方不明になった叔父の遺児たち/パルチザンになった父の弟たち/四・三事件と叔母夫婦/絡みあう歴史/わが一族の異人
七 故郷との再結合とその後

  第四章 在日の「下請け」の懐具合と技術革新の大波
一 コウバの増殖と変貌
二 在日の「下請け」の懐具合――融通手形
三 在日の懐具合――頼母子
四 借金まみれの余波
五 痛い経験と身の丈の自覚――その一
六 痛い経験と身の丈の自覚――その二
七 「下請け」の奴隷根性
八 技術革新の大波
九 「一寸の虫にも三分の魂」
十 経営哲学もしくは浪花節――誠実は報われる

  第五章 母そして家を中心としたわれわれの関係世界
一  母のつきあい
二 母の信仰とネットワーク
三  夜間中学における学び
四 日本人集落の朝鮮人たち
五 差別と意地悪の権化たち
六  優しかった日本人たち
七 古風な名物たち
八 わが家の三方を取り囲む家々の人々
九 右隣の三世代同居の家族


第三部 中年の僕と老齢化した両親
  第六章 父の人生の整理
一 死に臨んで
二 良き父
三 涙まじりの殴打
四 父の絶望と不始末

  第七章 コウバの人間模様
一 わが家に住み込んだ日本人青年
二 コウバと一体となった親戚の母子
三 敵役になった細い眼の少年
四 密航者とコウバ
五 親戚関係と雇用関係の捻じれ
六 反乱と和解

  第八章 父の弔いと宿題
一 両親に同行しての済州通い
二 「両親の故郷」との闘い
三 弔いと疎外
四 事業欲の屈折
五 経営権の委譲を巡る未練
六 コウバからの撤退に代わる夢の果て
七 競売不動産をめぐる鍔迫り合い
八 骨折り損のくたびれもうけ
九 父の墓

  第九章 母と自転車
一 自転車の乗り初め
二 消えた自転車
三 発症
四 入院
五 ディスコミュニケーション
六 反乱から退院へ

  エピローグ 今なお現役の母
一 外の世界とのつながり
二 勘と妄想
三 伝統的習俗への執着
四 世代間の葛藤と伝統的祭祀
五 争闘の果てのさらなる孤独
六 人生の同伴者

  あとがき
両親の略年譜

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内容説明

日本植民地下の朝鮮済州島から渡日し、そこで出会った若い男女。
二人は大阪に居を構え、やがて「僕」たち子どもが次々に生まれた……。
その子どものひとりである「僕」の視点で描く在日一世の父と母。彼らの努力と挫折、相互の葛藤、そして彼ら一世と二世である子どもたちとの情愛と軋轢、さらにはその家族を取り巻き、共に暮らしていた人びととの多様で重層的な関係を活写する。

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