『学校改革と教師』

浦野東洋一/著 四六判並製 定価(本体2600円+税)

 

●「日本教育新聞」 1999年9月17日

 これからの学校経営における重要なキーワードの一つは「開かれた学校づくり」である。この「開かれた学校づくり」に関心をもつ著者が今、注目しているのは長野県立辰野高校の三者協議会と高知県の「土佐の教育改革」。いずれも、フィールドワークを重ね、学校や地域のエネルギーを肌で感じながら研究を続けている。

 本書は「第T部 開かれた学校づくり」と「第U部 教育裁判における証言」の二部構成で、全七章。開かれた学校づくりをはじめ、教員評価制度、教育基本法の意義、個人情報の開示問題などさまざまな角度から現実の学校が抱える課題に迫る。

 第T部第二章「学校改革のビジョン」で紹介されるのが辰野高校の実践。

 同校は97年、教職員、生徒、父母各代表の協議機関である「三者協議会」を発足。協議会は学校運営上の決定権はもたないが、生徒会、PTA、職員会で話し合ったことを要求・提案でき、協議会で検討後、各機関はその要求提案に対して話し合いをもち回答しなければならないというものだ。会を開くたびに、学校や地域が活性化されていくのがわかる。

 形ばかりにとらわれがちな学校・家庭・地域の連携体制だが、著者は、気軽に声をかける・かけられる、相談し・相談されるなど、教職員の「開かれた人間関係」が重要という。「内に開かれない学校を外に開くことはなかなか難しい」という指摘は核心をついている。