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2012年1月発行


『二つの祖国の狭間に生きる
――長谷川テルの遺児暁子の半生』

長谷川暁子/著
四六版上製 320頁 定価(本体2800円+税)





母は戦火の中、反戦を呼びかけたエスペランチストだった――。
日中の「混血児」と呼ばれ、しかし烈士遺児として中国で育った著者が、
歴史の奔流の中で見たもの、受けとめたものとは。
エスペランチスト長谷川テルは、戦中、中国各地を転々としながら、日本軍兵士に対して反戦平和を放送した。中国人の夫・劉仁との間に生まれたのが、本書の著者長谷川暁子(中国名「暁嵐」)。著者は、中国共産党により「烈士遺児」として育てられるが、過酷な動乱の時代――「文化大革命」「天安門事件」を生きぬく。文革の最中には「問題分子」として砂漠地帯へ島流しにも遭う。帰国し日本国籍を回復した著者が秘められた半生を記した。


栗原小巻さん(女優)推薦!

「日中合作ドラマ「望郷の星――長谷川テルの青春」で、長谷川テル役を演じた折、著者である遺児、長谷川暁子さんと、知己を得ました。
 知性豊かな、素敵な女性で、何度か、お会いし、お話しする機会がありました。  暁子さんの半生が書かれた、この度のご著者から、暁子さんの奥深い誠実さが、強い精神が、伝わってきます。
 読み進むうちに、文字が涙でくもり、感動がこみ上げてきました。

 暁子さんの、二つの祖国への限りない愛。――。
 暁子さんの願う、未来永劫の友好に、この素晴らしいご著書が、貢献すること、確信しています。 栗原小巻」




2012年1月発行


『「生徒指導提要」一問一答
――生徒指導のバイブルを読み解く』

柿沼昌芳・永野恒雄/編著
青木茂雄、江熊隆徳、宮盛邦友、村越繁
A5並製 194頁  定価(本体1800円+税)





30年ぶりに改訂された
小中高「現代っ子」への「生徒指導」指針の中身とは?
現場の先生、保護者たちが抱く「疑問・質問」に答えるガイドブック。
『生徒指導提要』の読解に悩む方必読!

〈主な内容〉
Q「提要」という言葉の意味は?
Q 生徒指導と生活指導の違いは?
Q 校長のリーダーシップで学校はよくなるのか
Q 発達障害の受け入れは無制限か
Q「毅然とした指導」は是か非か
Q なぜ生徒指導研修は役に立たないのか
Q 薬物乱用は、喫煙・飲酒と同次元の問題か
Q 校内暴力がここ数年増加している背景は?
など72の質問に答えます!











2012年2月発行


シリーズ:斃れざる人びと2
『アントニオ・グラムシ』

高根英博/著
A5 120頁 定価(本体1300円+税)


イタリアの思想家アントニオ・グラムシの生涯をまんがで紹介する意欲作。
好評の『ローザ・ルクセンブルク』に続く第2弾。
幼少から、ファシズムと対決したイタリア共産党時代、「獄中ノート」の執筆、波乱のグラムシの生涯をユーモアを混ぜながら生き生きと描く。





2008年12月発行

シリーズ:斃れざる人びと1
『ローザ・ルクセンブルク』

高根英博/著
A5判 120頁 定価(本体1300円+税)



ローザとは誰か!
反戦・革命とは何か…
そして世界の連帯とは?
ローザ・ルクセンブルクの一生をドタバタギャグマンガで駆けめぐる!


推薦◆伊藤成彦氏(ローザ・ルクセンブルク国際協会代表・中央大学名誉教授)
「私が高根さんのローザ・ルクセンブルクをユニーク・マンガと呼ぶのは、ローザ・ルクセンブルクの優しさと鋭さという両面からなる独特な雰囲気を表しているからです。そういうマンガが日本で出版されるということは、未来の社会主義に通じる芽が日本から芽生える可能性を示すこととして、楽しく、嬉しいことではないでしょうか。だから私は、高根さんのユニーク・マンガ・ローザ・ルクセンブルクを推します」





【新刊情報】


2011年12月発行


『和食ルネッサンス
――「ご飯」で健康になろう』

奥田和子/著(甲南女子大学名誉教授)
A5並製 124頁 定価:本体1500円+税




お米を食べよう!
近年の肥満、生活習慣病の増加は、日本の食習慣の大きな変貌にある!
「ご飯」=「米」は脂質は0に近く、塩分はなしでダイエット食そのもの。長年培った伝統的な知恵をないがしろにせず、輸入品に頼らない日本の風土に合う食べ物への回帰を提案する。

「食べているのは日本の風土が育んだ自給の食べ物ですか?
 私たちが最も自給しやすいお米ですか?
 日本の畑で採れた野菜ですか?
 TPPが話題になっている。近所づきあいもいいけれど、自分の国の食べ物は自分たちで準備しようではありませんか。輸入品ばかりでまかなえるはずはない」(「はじめに」より)


〈主な内容〉
第1章 「ご飯」と「おかず」の2本柱
第2章 「ご飯」にまつわる食文化の歴史
第3章 小麦が米に取って変わったわけ
第4章 副食・おかず
第5章 「日本人好み」への変貌
第6章 ごはんを食べる時間・回数
第7章 和食のメリット
第8章 食べる順番とは何であるか
第9章 日本の携帯食・保存食
第10章 冠婚葬祭の食文化
第11章 現在の日本の食の問題点
第12章 世界を視野に入れて食す



2011年11月発行


『枯れ葉剤に遭った子どもたち
――私のベトナム日誌15年』

細谷久美子/著
四六並製 244頁 定価(本体1900円+税)




◆枯れ葉剤爆弾投下から50年、渾身の調査記録
ベトナム戦争でアメリカは「枯れ葉剤」を、戦場や森林地帯に大量に投下した。 人間の未来を奪う犯罪であった。
本書は1995年から2010年まで、ベトナムの各村を回り、「枯れ葉剤被害児童」を追跡した調査記録。未だ続く被害の実態を問う。


〔そう、この部屋こそ「枯れ葉剤被害児童」たちが「死」をもって訴えている部屋だ。「死」をもってこの世に出現した子どもたちが、「標本」として「ホルマリン漬け」にされているのである。一〇坪くらいの部屋の入口を除いた四面の壁に、大小さまざまな「枯れ葉剤被害児童」の証が並ぶ。中に一歩足を踏み入れると、背筋に寒けが走る。しかし、この事実に眼を背けてはいけない。歯を食いしばりシャッターを押す〕(本文より)



2011年10月発行


『対外軍用秘密地図のための潜入盗測〔第二編〕
――外邦測量・村上手帳の研究
村上千代吉の測図活動 外邦測量の実際(上)』

牛越国昭(李国昭)/著
A5並製 496頁 定価(本体5000円+税)




他家に忍び込み、
間取り家財を調べる、
それを国が強行させた。

梶村 晃氏(九州・沖縄平和教育研究所顧問)
「朝鮮・台湾・中国などアジアの地で、薬売りに身を偽して測量を何年にもわたって敢行した16人の男たち。現地人に疎んざれ、「馬賊」に襲われ、あげくの果てには、「日本国」「日本軍」とは関係のない「遊周者」とあつかわれかねなかった彼ら。その彼らの業いの上に日本はアジア大陸への侵略を策していたのである」


【第二編の主な内容】
序 章 外邦測量 人生の始まり
第一章 日露戦争終・戦後期に朝鮮北部・中国東北南部を測図
第二章 広域の測図実施と大きな犠牲―― 一九〇七年度
第三章 強引な「満州」・内モンゴル測図と華南測図への変更
第四章  秘密強化のため分班体制をとった〇九年度測図
第五章 一九一〇年度は広東、福建での特別略測図を展開
第六章 秘密測図の最中辛亥革命起こる―― 一九一一年
第七章 一九一二年度臨時測図部最終年の内モンゴル測図
第八章 新体制に移行し、華南地方を潜入盗測 
第九章 一九一三年度第二次と一四年度華南測図の継続


【第一編の主な内容】
第一章 日本の近現代地図政策の特質
第二章 参謀本部将校派遣制度と朝鮮・中国の軍用地図
第三章 「外邦図」――侵略戦争のための対外軍用秘密地図
第四章 臨時測図部創設の意義―外邦測量の本格展開
第五章 甲午日中戦争時臨時測図部による測図活動
第六章 甲午日中・日露戦争間期の秘密測量
第七章 日露戦争と臨時測図部の活動
第八章 臨時測図部の一九〇七年新編成
第九章 〇七年体制の破綻と完全な潜入秘密測量体制への移行



2011年10月発行


『ジャーナリストの現場
――もの書きをめざす人へ』

岩垂 弘/著
A5上製 496頁 定価(本体2800円+税)



ジャーナリズムの原点がここにある!

歴史家 色川大吉氏推薦
「朝日新聞記者であった著者の昭和33年から37年間に及ぶ評論集。だが、これは一記者の自分史であるばかりか同時代史にもなっている。著者の志は巻末の3・11大震災・原発事故以降の報道の劣化ぶりに危機意識を抱いた訴えにあらわれている。その烈語は本書の価値を一層高からしめた」

第1部 駆け出し記者として
第2部 社会部記者の現場から
第3部 編集委員として
第4部 フリーの視点
     


2011年9月発行


『フィデル・カストロの「思索」
――人類の経験を背負う人』

田中三郎/著(元駐キューバ大使)
四六並製 280頁 定価(本体1900円+税)



「人類の将来は人間に代わるロボット、
 あるいはロボットに変化した人間にゆだねるべきではない」
 核戦争、食糧危機、大災害、文明の危機――
 絶滅に瀕する世界に「変革の闘い」と
「希望を放棄しない神聖な義務」を訴え続けるフィデル・カストロ。
 大病から復活し、地にありて天にある如く執筆するカストロの「思索」とは。

党機関紙「グランマ」に掲載されたカストロの「思索」の言葉の数々を、
註キューバ大使としてカストロを間近に見た著者が紹介する。
本当のカストロ像に迫る。

〔目次〕
序 章 正義を激流の如く奔流せしめよ
第1章 人類の経験を背負う「思索」の人
第2章 私が体験したフィデル・カストロとキューバ
第3章 フィデル・カストロが語るキューバ革命の精神
第4章 平和を追い求めるフィデル・カストロ
第5章 現代文明の危機を告発する単独の人、フィデル・カストロ
第6章 キューバ革命五〇周年を迎えたフィデル・カストロ
第7章 日本が育て、持つべきはモラル・ミサイル――核問題の随想
第8章 ハイティと世界が必要とするのはヒューマニズムの使徒
    ――ハイティ大地震に想うこと
第9章 果樹の花々の咲くロンドンの春
    ――シモーヌ・ヴェイユの贈りもの
第10章 人類の将来を示顕する人
     ――人類の未来回復のための革命プレリュード
     


2011年7月発行
樋口篤三遺稿集第1巻


『革命家・労働運動家列伝』

四六並製 304頁 定価(本体2000円+税)



人間の息づかいが聞こえてくる現代史。
「党史観」、「イデオロギー史観」、狭い「運動史観」では、
絶対に見えてこない歴史が、ここにはある。
24人の人間ドラマが語りかける夢と闘いと――。
高野実/春日庄次郎/鈴木市蔵/中西 功/一柳茂次ほか。

〔登場人物〕
高野実・春日庄次郎・鈴木市蔵・中西 功・一柳茂次・戸村一作・荒畑寒村・渡部義通・古屋能子・結城庄司・林大鳳・国分一太郎・由井誓・安斎庫治・前田俊彦・椿 信・清水慎三・横井亀夫・今野求・井手敏彦・渡辺宏・右島一朗・前野良・望月彰


2011年7月発行
樋口篤三遺稿集第2巻


『オルグ・労働運動・戦略』

四六並製 304頁 定価(本体2000円+税)



生涯を、革命家、オルガナイザーとして生きた著者による、
闘いの「最前線」の記録と「対抗戦略」私論。

〔主な内容〕
第1章 私のオルグ人生から
第2章 たたかいの最前線を記録する
第3章 日本労働運動の〈宝〉を掘り返そう
第4章 新しい飛躍をめざしてよびかける
第5章 対抗戦略なくして未来なし


2011年8月発行


『ヒロシマの青春』

白岩徹水/著
四六上製 216頁 定価(本体2000円+税)



核なき世をとしずかに語る
魂の木霊が聞こえる――。
輪廻転生の5篇のものがたり。


【目 次】
ヒロシマの青春
私のソクラテス
真理について
アレキサンドリアの公園
アテナイの少女
ブッダは微笑む
フクシマの悲劇――あとがきにかえて



2011年6月発行
英国自治体が取り組んだ核防災対策に学ぶ


『英国自治体発行 原子力防災マニュアル
――放射能雲の下のリーズとブラッドフォード』

原作:英国リーズ市平和・防災課
監修:非核自治体全国草の根ネットワーク
(略称・非核ネットワーク 代表・西田 勝)
A5並製 68頁 定価(本体650円+税)



福島原発事故発生!
あなたの町に、核防災対策はありますか?
わが家に1冊を そして知人・友人・恋人に

「事例が英国の一地方に限られていますが、それ自身、実際に核事故が起きた場合の個々人の対策や処置について細かくふれているだけではなく、原発の構造や放射能の性質、原発事故の歴史や被害の実態についてもスポットをあてた、いわゆる原発問題の入門書にもなっていて、恰好の核防災マニュアルとなっています」(西田 勝氏)

【目 次】
非常時の備えに〔新版発行にあたって〕
01 はじめに
02 なぜ原子力があるのか
03 放射能とは?
04 事故の危険性
05 核事故への対策
06 これまで起きた核事故
07 ここでの可能性
08 ヘイシャムで事故が起きたら
09 両市に降る死の灰
10 セラフィールドで事故が起きたら
11 個人でできることは?
12 健康への影響
13 農業への影響
14 経済への影響
15 放射能雲の下のリーズとブラッドフォード
もっと知りたい人に
略語表
核事故が起きたら、何をしたらいいか


三版出来!
2011年4月発行
緊急出版! 原発社会に必須の1冊


『[増補改訂版]家族で語る食卓の放射能汚染』

安斎育郎/著=安斎科学・平和事務所所長、放射線防護学
四六並製 224頁 定価(本体1200円+税)



食品汚染が心配。どう対処したらいいの?
お母さんたちの疑問に答え、
放射性物質、放射線、放射能、などの必要知識を解説!
チェルノブイリ事故の防護対策を活かし、
福島第一原発事故の現状を増補・解説!

「放射線の危険性について勉強し、食品汚染の実態について調べ、私たちの生活に闖入した悪漢・放射能の悪役ぶりを知って、どうすれば食の安全を守れるか、みんなで考え、必要な行動を起こすことが重要です」(本文より)

【目 次】
福島原発事故危機の中で
第1章◆はじめに――私がやってきたこと
第2章◆放射能って何だろう?
1、原子の名前の表し方
2、放射能って何物か?
3、放射線のいろいろ
4、放射能の強さの単位
5、被曝線量の単位(シーベルト)
6、半減期
7、有効半減期
8、体内汚染はどこまでふえるか?
9、自然放射線による被曝
第3章◆放射線の人体への影響
1、放射線障害の歴史
2、放射線障害の二つのタイプ
3、放射線障害の非特異性
4、放射線防護の原則的考え方
第4章◆食品の放射能汚染にどう対処するか?
1、厚生労働省の規制基準
2、食品汚染の実態はどうか?
3、汚染食品による放射線被曝は?
4、食品汚染にどう対処するか?
おわりに


2011年5月発行
ヨーロッパ・マルクス主義を理解する、格好の古典的文献


『社会主義と哲学――ジョルジュ・ソレルへの書簡』

アントニオ・ラブリオーラ/著 小原耕一・渡部實[訳]
小原耕一・田畑稔[解題]
四六上製 364頁 定価(本体3000円+税)



〈ラブリオーラ著『新訳・唯物史観概説』(『思想は空から降ってはこない』)が2010年2月末、同時代社より刊行されてから一年有余がすぎました。この訳書には第一論考「共産主義者のマニフェストを記念して」および第二論考「史的唯物論について――予備的考察」が収められていますが、このたびこの『唯物史観概説』の続編に相当する『社会主義と哲学』を刊行することになりました。
2010年9月11日には小規模ながら「アントニオ・ラブリオーラと現代――マルクス復活の時代に『唯物史観概説』を読む」(主催:トロツキー研究所、東京グラムシ会、後援:社会理論学会、同時代社)が東京で開催され、ラブリオーラへの関心と議論も徐々に高まりつつあります。
 今回刊行する『社会主義と哲学』は、一九世紀末の「マルクス主義の危機」論争という枠組みを超えて、「まだ端緒についたばかりで、これから多くの展開を必要としている」(「史的唯物論について――予備的考察」第一章)とラブリオーラ本人が述べた史的唯物論に内在する潜在的可能性を、古くは古代ギリシャ哲学から一九世紀末にかけて主としてヨーロッパに展開された諸思想潮流の批判・継承・発展において掘り起こすことを基本的射程としているところに大きな特徴があるといえるでしょう。いいかえれば、ヘーゲリアンからマルクシアンへ「飛躍」するラブリオーラの弁証法的な思考過程の中に、従来視野の外に置かれがちであったヨーロッパ・マルクス主義の「奥行きの深さ、思想的相続遺産の多面性」を理解しようとするためには格好の古典的文献の一つともいえるでしょう。その意味で、『社会主義と哲学』は、百年余りの時をへた現代においても、重層的・複合的な発展をとげたラブリオーラの哲学思想が私たちの共感を呼び起こすにちがいない、と私たちは確信し、この共感をできるだけ多くの人たちと共有したいと念じています〉(「刊行にあたって」より)

【目 次】
第二版への序文
社会主義と哲学 G・ソレルへの書簡
 第一書簡
 第二書簡
 第三書簡
 第四書簡
 第五書簡
 第六書簡
 第七書簡
 第八書簡
 第九書簡
 第十書簡
附録
1フランス語版『社会主義と哲学』へのA・ラブリオーラの補遺(第十一書簡)
2フランス語版『唯物史観概説』へのG・ソレルの序文
3フランス語版『社会主義と哲学』へのA・ラブリオーラの序言
4マルクス主義の危機について
5歴史・歴史哲学・社会学および史的唯物論
[解題]『社会主義と哲学』新訳刊行にあたって 小原耕一・田畑稔


2011年5月発行
脱原発! 節電時代の住宅・リフォーム事情


『節電住宅――自然エネルギー利用の家づくり』

白岩且久/著
四六並製 192頁 カラー口絵 定価(本体1500円+税)



「高断熱高気密」+「自然エネルギー利用」で
停電になっても凍えない、暑くない!
「もうオール電化やIHヒーターや原子力発電は過去のものになります。これからはなるべく電力を使用せず、かつ快適な生活をえられる建築が望まれます。それには四季の自然に従い、冬は太陽の熱を取り込み、その熱を逃がさない、貯める。夏は熱を遮り、地下の冷熱を取り込む。春と秋は風を取り込み自然に暮らす。そのような生活をちょっとした技術でかなえられます」(「はじめに」より)

【主な内容】
0 3.11以降のパラダイムシフト
1 世界でいちばん寒い家は日本の家?
2 世界でいちばん暑い家も日本にある?
3 すでにあった自然エネルギー利用住宅
4 建築と土木
5 建築は農業である
6 国産材をもっと使いたい―ビールと煙突
7 ハウスメーカーって何だ―日本酒と逆ブランド現象
8 断熱、気密、換気を総合的に―ワインとカビ
9 断熱性能を高める―濡れたセーターと乾いたTシャツ
10 各種断熱材のはなし―カシミアのセーター
11 TPO―時と場合
12 熱伝導率の高いアルミは問題―アルミ鍋とビールグラス
13 穴のあいたストローはいただけない
14 太陽と「南」風
15 日本は断熱後進国
16 高断熱と高気密
17 自然エネルギー住宅
18 国産材で持続社会へ
19 環境問題

※本書は『環境家族』(2010年、同時代社)を改題、大幅に加筆・修正したものである。


2011年5月発行
民主主義教育21 Vol.5


『21世紀 平和教育の新展開』

全国民主主義教育研究会/編
A5並製 224頁 定価(本体1500円+税)



【主な内容】

「さよなら紛争」武装解除人が見た世界の現実
伊勢崎賢治

東アジア情勢と日米安保条約
浅井基文

子どもの貧困の現実と政策の課題
――EUのとりくみから学ぶこと
浅井春夫

◆巻頭論文
21世紀の平和教育の課題を考える
――平和教育の創造的発展のために
沖村民雄


<好評既刊>

2010年5月発行
民主主義教育21 Vol.4
『政治参加と主権者教育』

2009年6月発行
民主主義教育21 Vol.3
『現代資本主義は変わったか』

2008年6月発行
民主主義教育21 Vol.2
『立憲主義と法教育』

2007年5月発行
民主主義教育21 Vol.1
『いま憲法教育を問う』



<全国民主主義教育研究会HP>



2011年4月発行


『[新訂版]三鷹事件』

小松良郎/著 新訂版解説:大石進
四六並製 304頁 定価(本体1500円+税)



《森達也氏推薦!》
●深く心に刻まないからこそ、人は同じ過ちを何度も繰り返す。
●刻むべきだ。思うべきだ。これほどに大きな戦後史の転換は他にない。
●忘れるべきではない。過去のためではなく、この国の未来のために。
●忘れてはいけないことはたくさんある。この事件はまさしくその筆頭だ。暗躍する意思。暴走する民意。そして何よりも、犠牲になった多くの命のために

名著復刊、戦後最初の政治的冤罪事件に迫る!
「本書は三鷹事件について語られた初めての書籍である。……今日、同時代社が、本書の復刻を試みるのも、多くの人にこの事件の謎に触れていただき、竹内景助氏の死後再審に力を貸していただきたいと願う思いに応えてのものである。この死後再審への動きは、四四年前の本書旧版の発行から始まったのだと言っても過言ではない」(大石進「新訂版解説」より)

【目 次】
1 暴 走/2 目撃者たち/3 予告されていた事件
4 高相会議1/5 叩き潰せ/6/その前夜
7 高相会議2/8 そのとき風呂にいた/9 別の人びと
10 虚構の構築/11 逮捕令状/12 事件の報道
13 謎の死/14 第二次検挙/15 釈放されたかった
16 竹内さん、すまない/17 アリバイを崩せ
18 意外な自白/19 波 紋/20 公 判
21 検事の立証/22 私の単独犯行らしい/23 夢想した事
24 針金と紐/25 運転台/26 坂本証言
27 何もしなかった/28 判 決/29 生と死の間で
30 恐るべき省略/31 終 末/32 検 証
33 「軍」の影/三〇年後の補足/新訂版解説


2011年3月発行


『山里の記憶1』『山里の記憶2』

黒沢和義/絵と文
各定価:本体1800円+税
A5判 232頁(カラー80頁)



山里の笑顔と味と技を記録した三十五の物語。

山里の暮らし(主に埼玉県秩父地方)を現地取材し、イラストと文章で記録した著者渾身の二冊。先に原画展が催され好評を博しました。1・2巻合わせて70の物語があなたの記憶を呼び覚まします。お年寄りの笑顔に癒され、ほっこりとした読後感。



2010年11月発行


『続・突破者』

宮崎学/著
四六上製 308頁 定価(本体1800円+税)



衝撃のデビューから15年。
ベストセラー自伝の書き下ろし続編!

「正義」をかざすインチキ漢、脱獄計画で俺を助けた闇の将軍、 どうにも手が付けられないアホ、清く正しい市民の群れ、刑務所で出会った男と女……。奈落の闇を、俺は、野蛮の声をあげて泳いできた。孤立を恐れず、進むほかないだろう。

《目次》
1. 電脳突破党始末記
2. 俺たちの政治
3. 正義と闘う
4. 風、雲を呼ぶ亜細亜の大地
5. 差別の闇を裂く
6. 最後に
あとがきにかえて



2010年11月発行


『こんな沖縄に誰がした 
普天間移設問題――最善・最短の解決策』

大田昌秀/著(元沖縄県知事)
四六並製 296頁 定価(本体1900円+税)



日米両政府合作によってつくられた現実を、
無視しつづける鉄面皮(てつめんぴ)はもう許されない。
海外移設への具体的道を提示する!

「私たちの愛する沖縄の現状が日本国憲法の理念やもろもろの規定と余りにも異なり過ぎている事態を直視し、それが何に起因するのかを明らかにしたいのである。と同時に、できる限りその解決の処方箋を読者と一緒に考えてみたい」(「まえがき」より)

〈主な内容〉
第一部 こんな沖縄に誰がした
 一、沖縄の軍事基地化の端緒――明治維新と沖縄
 二、米軍による沖縄の分離と日本政府の合意
 三、昭和天皇と沖縄――天皇メッセージの波紋
 四、憲法第九条の成立過程と天皇制存続の経緯
 五、沖縄の自立と軍事基地

第二部 普天間・辺野古問題
 一、問題の現状
 二、国外移設の可能性
 三、普天間問題の帰趨
 四、六〇年代後半の辺野古基地建設計画
 五、蘇る辺野古基地建設計画
 六、普天間移設に絡む利権問題
 七、辺野古移設と環境問題

第三部 資料編
 在沖米軍基地の削減等に関する議論等〈要約版〉


【書 評(抜粋)】

●続く沖縄差別政策に怒り
「……本書は明治以来の資料を駆使して、琉球処分から現代まで脈々とつながる軍事的沖縄差別政策を論証しており、基地負担にあえぐ沖縄の状況を生み出し、現在もそれを続けようとしている「日本」に対する怒りを強く呼び起こす。日米安保重要論者にとっても読むべき一冊といえる……」〔評者:高良鉄美・琉球大学教授〕(2010年12月5日付「琉球新報」)

●抑圧の現状に差別見る姿勢
「……日米合作による戦後沖縄の米国支配の実態が解明され、過重な軍事基地に苦悩する沖縄の現状を鋭く告発する。その他、沖縄の自立論、独立論の起原などについての言及もあり、興味深い論文構成となっている……」〔評者:比屋根照夫・琉球大学名誉教授〕(2010年12月18付「沖縄タイムス」)

●空論ではない沖縄分離論
「……菅政権が辺野古移設を強行すれば、沖縄のマグマが爆発し、日本の国家統合が内側から崩れる。本書を読めば、沖縄の日本からの分離のシナリオが、決して空論ではないことがわかる」〔評者:佐藤優・作家、元外務省主任分析官〕(2010年12月27日号「AERAアエラ」)


〈お詫びとお知らせ〉
本書掲載の第2部扉、145ページ下3点、149ページの写真について、撮影者(著作権者)である兼城淳子氏の明記がございませんでした。兼城氏にお詫び申し上げるとともに、ここにお知らせ致します。


2011年2月発行


『学校評価と四者協議会
――草加東高校の開かれた学校づくり』

小池由美子/著
四六並製 200頁 定価(本体1500円+税)




生徒・保護者・地域住民・教職員がともに力を合わせた「学校づくり」の実践記録。 「学校評価」の真のあり方を示す。
それは、上から押しつけられるものではない。
浦野東洋一氏(帝京大学教授・東京大学名誉教授)、勝野正章氏(東京大学準教授)推薦!

〈本書の著者は、“「学校」という基礎単位から見た場合、学校評価を管理強化として頭から否定するのではなく、目の前の生徒のためにどのように教育活動に生かせるか、望ましい学校評価とは何かを、学校の管理職、同僚、保護者、生徒、地域の人々とともに考えることが大切である”というスタンスをとっています。
 私は、実践家がこのような広く柔軟な発想をもつことは、必要なことであり、きわめて重要なことであると考えています。子どもの幸福に奉仕することを職務とする教員には、政策についての社会科学的な認識と行動に加えて、なによりも教育実践家としての実践的な認識と行動が求められていると考えるからです〉(浦野東洋一「解説」より)

《目次》

刊行によせて 勝野正章

第一部 今日の「教育改革」と「学校評価」
 第一章 「教育改革」と「学校評価」制度
 第二章 草加東高校と学校自己評価システム

第二部 四者協議会と開かれた学校づくり
 第一章 草加東高校四者協議会への第一歩
 第二章 校則を変える生徒たち
 第三章 授業改善の取り組み
 第四章 四者協議会の生徒・保護者・地域・教職員の「参加」と「共同」
 第五章 今後の課題
 終 章 開かれた学校づくりの展望

解説  浦野東洋一



2010年12月発行


『開かれた学校づくりの実践と理論
――全国交流集会一〇年の歩みをふりかえる』

浦野東洋一・神山正弘・三上昭彦/編
四六並製 260頁 定価(本体2200円+税)



参加と共同の学校づくり
10年の成果をここに収録!
〔資料〕全10回プログラム・主要関連法令・主要参考文献一覧

《目次》
序 章 「開かれた学校づくり」全国交流集会の一〇年をふりかえって
    浦野東洋一(帝京大学)
第一章 「開かれた学校づくり」一〇年
  【記念講演】子どもという希望――土佐の教育改革と私
        大崎博澄(元高知県教育長)
  ・大崎さんが提起したこと 神山正弘(帝京平成大学)

  【実践研究報告】
    辰野高校の「フォーラム」「三者協議会」による民主的学校づくり
    宮下与兵衛(長野県赤穂高校教諭・東大院生)
  【実践研究報告】
    学校評価と開かれた学校づくり 小池由美子(埼玉県立草加東高校)
    ・小池レポートが問いかけるもの 勝野正章(東京大学)

第二章 開かれた学校づくり・参加と共同の学校づくり――その到達点
  北海道における到達点と富良野高校の取り組み 松代峰明(北海道富良野高等学校)
  開かれた学校づくり 東山邦夫(和歌山県立和歌山高等学校)
  埼玉県の学校評価懇話会 細野隆彦(埼玉県立岩槻高等学校)
  長野県岡谷東高校でのPTS協議会と「ひろがれわたし」の取り組み
池上 宏(長野県松本県ヶ丘高校)
  生徒が元気に学校づくりへ参加 金子広志(大東学園高等学校校長)
  生徒の否定的状況に負けていた授業 夏原常明(彦根西高校)
  【解説―レポートから学ぶ】浦野東洋一

第三章 開かれた学校づくり・参加と共同の学校づくり――その展望
  開かれた学校づくりの社会・政治的文脈 神山正弘
  学校づくりと国民の教育権 堀尾輝久(東京大学名誉教授)
  【解説―諸レポートから学ぶ】中田康彦(一橋大学)

第四章 資料編  作成:宮盛邦友(北海道大学)
 1、「開かれた学校づくり全国交流集会」全一〇回のプログラム
 2、学校改革の主要関連法令など
 3、学校改革の主要参考文献一覧



2010年12月発行


『日中貿易促進会 その運動と軌跡』

日中貿易促進会の記録を作る会/編
執筆者 川辺晃男/釜屋 修/佐藤信義/末浪靖司/布川雅章
A5並製 128頁 定価(本体1500円+税)



日本と中国との国交がない時期、
〈日中友好貿易〉という独特の交流は、
どのように生まれ、切り拓かれ、発展してきたのか。
埋もれてきた〈秘史〉を、いま、明かす。
事実を網羅した、類例のない〈日中貿易促進運動年表〉収録。

それは、アメリカの中国封じ込め政策、日本の追従、協力の中で、困難な事業ではあったが、多くの国民の希望につながる、日本、アジア、世界の未来に問いかけた壮大なロマンであった。



2010年11月発行


『アイデンティティと時代
一九七〇年代の東大・セツルの体験から』

山田正行/著(大阪教育大学教授)
A5並製 192頁 定価(本体1200円+税)



「一九七三年〜七七年という時期、私は東大の学生でありつつ、東京の下町でセツルメント(略称はセツル)の実践、青年運動、教育文化運動を通して地域を変え、社会をより良くしようと努力しながらアイデンティティを形成した。それは未熟で失敗の連続であり、とても直視できなかった。特に、失敗が「魅せられたる魂」(ロマン・ロラン)のようになり熱心に取り組んだ結果であるから、なおさら自分の内奥がさらけ出されるために、正対することを避けてきた。
しかし、発達に伴い「人間的強さ human strength」が形成され、四〇代半ばを過ぎると次第に向き合えるようになった。これは、一挙に変わったのではなく、漸進的であった。
……そして、現在、ここで本格的に取り組み、時代の一角において、時代に影響されながら、時代と格闘した自己形成の事例としてまとめることにした」(本文より)


『アイデンティティと時代―一九七〇年代の東大・セツルの体験から』を出版して/山田正行

『アイデンティティと時代―一九七〇年代の東大・セツルの体験から』を出版して その2/山田正行

『アイデンティティと時代―一九七〇年代の東大・セツルの体験から』を出版して その3/山田正行

『アイデンティティと時代―一九七〇年代の東大・セツルの体験から』を出版して その4/山田正行

『アイデンティティと時代―一九七〇年代の東大・セツルの体験から』を出版して その5/山田正行



2010年10月発行
多重債務問題は、サラ金が退場すれば解決するのか?


『債鬼は眠らず
――サラ金崩壊時代の収奪産業レポート』

三宅勝久/著
四六並製 192頁 定価(本体1400円+税)



★外資系サラ金CFJ★サブプライム問題★債権回収ビジネス
★「過払い」ビジネス★司法修習生の給付金廃止と奨学金
★サラ金規制法緩和への動き★武富士破たん――
混沌とする日本の金融事情に心を砕くすべての方に贈る。

〈本書のポイント〉
▼シティグループをめぐる問題
▼早稲田大学とサラ金業界の癒着
▼法律家による悪質な「過払いビジネス」
▼お上が取り立て強化をはかる奨学金

〈主な内容〉
第一章 巨大外資シティグループの闇
 ■隠蔽された「実印偽造」事件
 ■「改竄八〇〇件で借金水増し一億九〇〇〇万円」の結末
 ■ヤミ業者に不良債権売り飛ばしても「お咎めなし」の黒い霧
第二章 サラ金を支えた脇役
 ■早稲田大学「サラ金研究所」の研究
 ■サラ金を支えた生保マネー
第三章 過払い金は蜜の味
 ■朝日ホームロイヤーを告発する
 ■客の苦情に「内容証明」で提訴予告する
  大手弁護士事務所「ミライオ」の“上から目線”
第四章 お上が債鬼になる日
 ■欄干修理代の取り立てで娘が自殺
  ――遺族が告発する北海道開発局の非情
 ■「回収ビジネス」に励む日本学生支援機構 
  「元利+延滞金」一括弁済に固執する理由


【書 評(抜粋)】

●暴走する債権回収 お上が債鬼になる日
「……消費者金融に代わる強大な「債鬼」が次々と登場し、本書ではその生々しい実態に迫っている……」〔評者:坂本慎平・ジャーナリスト、評論家〕(2010年12月17日号「週刊金曜日」)



2010年8月発行
ネット世界を騒然とさせた小沢論、待望の書籍化!


『泣かない小沢一郎(あいつ)が憎らしい』

世川行介/著
四六上製 328頁 定価(本体1600円+税)



誰も、「かれ」の〈本当の姿〉を知らない――。
盟友・羽田孜(元総理大臣)の独白。


「こんなにも罵詈雑言や中傷誹謗ばかり浴びせられては、
 いかにも小沢一郎が不憫であるし、
 同時代を生きる僕たちが、なさけない」
 (「世川行介放浪日記」より)http://blog.goo.ne.jp/segawakousuke

〈最古参の角栄門下生の思いはどうか? 小沢さんと同じ昭和44年に初当選した元首相、羽田孜さんを衆院議員会館に訪ねた。2年前に脳血栓が見つかり、言葉と体が思うにまかせない。真新しい部屋には黄ばんだ角さんの大きな写真。72年の自民党総裁選のとき、ホテルニューオータニに陣取った角さんの選対本部に掲げられていたものだとか。「縁起がいいから、持ってきたんだ」

 一寸先は闇の永田町、時にたもとを分かつなど紆余曲折はあったものの、小沢さんとは40年来の盟友である。「政権交代が実現し、衆院本会議場での首相指名のとき、よろけるぼくの手を引いて投票箱まで導いてくれた。そんなことをする男じゃなかったから。田中のオヤジさんがいたら、小沢に言ってただろうなあ。『とうとうお前の番が来たな』って」。その遠くを見つめる目がちょっとセンチメンタルに潤んだ。そして、こうもらした。「一番、小沢を可愛がっていたママが亡くなってしまったんだよなあ」
 ママとは、角さんの秘書で「越山会の女王」の異名をとった佐藤昭子さん。3月11日に他界した。享年81。病院に駆けつけた小沢さんは「ママ、長い間お世話になったね」と涙を流したと伝えられる。角さん没後1年の94年暮れ、佐藤さんにインタビューしたことがある。小沢さんを「いっちゃん」、羽田さんを「つとむちゃん」と呼び、「田中の思想、手腕を全部勉強してきた彼らが、お互いの力を持ちよって、国家、国民のためにひとつになって結束し、国民の負託に応えてほしい。それが私の唯一の夢です」。


 1冊の本がある。「泣かない小沢一郎(あいつ)が憎らしい」(同時代社)。小沢さんが羽田事務所に代表選出馬のあいさつに立ち寄ったとき、刊行されたばかりのこの本が話題になった。羽田さんの独白を交えた、いささか文学的においのする小沢論である。著者の世川行介さんは自称、放浪作家。「日本中から罵詈雑言を浴びせられては小沢一郎がふびんだし、同時代を生きる僕たちも情けなくて」。徹底した小沢擁護論だが、底流にあるのは見果てぬ夢を追い求める男のロマンである〉
(「特集ワイド:民主党代表選に見え隠れ 角栄待望論の幻影」毎日新聞2010年9月16日付夕刊)


〈主な内容〉

独白(一)――二〇一〇年一月
 急変する世界●敗北の歴史(一)  
  敗北の初め・経世会分裂劇
  「新生党」結党

独白(二)
 傲慢な小沢●敗北の歴史(二)
     細川非自民連立内閣
  公明党と小沢一郎
  再びの敗北・細川政権崩壊

独白(三)
 欲望というドラマ●敗北の歴史(三)
     羽田政権崩壊
  醜い日本・「自社さきがけ政権」

独白(四)
 孤独な後退戦●敗北の歴史(四)
     盟友決別
  小沢一郎の後退戦
  竹下登の逆襲
  新進党解党

独白(五)
 敗れ続ける小沢一郎●敗北の歴史(五)
      自由党結党
  罠
  二見伸明をつぶせ
  追いつめられて
 小沢一郎の栄光
  自由党六五八万票の驚愕
  無言の知
 二つの〈父性〉●敗北の歴史(六)
     「加藤の乱」と浮遊層
  立ちはだかった男

独白(六)
 夢の成就●敗北の歴史(七)
     民由合併
  小沢民主党の躍進
  小沢一郎を追放せよ
  政権交代選挙
 小沢一郎という〈悲劇〉●敗北の歴史(八)
     小沢一郎抹殺キャンペーン
  ユ ダ
  ロッキード事件という不幸
  小沢一郎という〈悲劇〉

最後の独白――二〇一〇年六月





2010年7月発行
漂流する日本の思想・教育界に投じられた珠玉の論考集


『現代教育の思想水脈』

全国民主主義教育研究会/編
四六上製 296頁 定価(本体2800円+税)



思想は本の中にあるものでもなく、
思想を語る教師の頭の中にあるものでもない。
自身の中に思想はあるはずである。
――古在由重(全民研初代会長)

〈主な内容〉

第一章 政治思想
  憲法第九条の政治哲学的意味 ……加藤節
  神の国発言と草の根国家主義 ……岩井忠熊
  福沢の思想のおもしろさ――『丁丑公論・瘠我慢の説』をめぐって
   ……〈対談〉古在由重・藤田省三
  日本思想史への新しい視角――統一戦線形成と知識人の役割 ……古田光

第二章 社会科教育の思想
  高校で思想(史)をいかに教えるか ……古在由重
  市民性教育の課題と新学習指導要領 ……高山次嘉
  社会科を守る戦い ……上田薫
  戦後社会科の理念と社会科の「解体」……宇田川宏
  グループ学習と児童中心主義 ……川合章

第三章 平和の思想
  憲法五〇年と教育の課題 ……樋口陽一
  人間の生死と日の丸・君が代問題 ……山住正己
  教科書裁判三二年と日本文化を語る ……家永三郎
  パール・ハーバー、ヒロシマ、世界秩序 ……関寛治
  アジアを見つめる開発教育 ……松井やより
  アブラハムの神とアステカの神の狭間で ……古茂田宏

あとがきにかえて  浅井基文





2010年7月発行


『CUBA
――A PHOTO DIARY』

EIKO TANAKA/写真・文
A4版 100頁 定価(本体2800円+税)



ハバナの暮らし、音楽、スポーツそして革命――。
ナイトクラブ“トロピカーナ”の躍動するダンサー。
誰も撮れなかったキューバがここにある!


フィデル・カストロからトロピカーナの踊り子たちにいたるキューバの人びとの心を、思い出のエッセイと共に伝える写真集。

「誰もが“見る”ことは出来る。しかし“見える”ということはそう簡単に出来ることではない。どう見えるようになるかは私には教えることが出来ない。それは自分でしか学べないことなのだ」(ラウル・コラーレス)





2010年7月発行


『越境としての古代 8』

越境の会/編
A5並製 196頁 定価(本体1500円+税)
大芝英雄/中原 英/白名一雄
松下 伸/越川康晴/本野嗣郎/室伏志畔


古代史研究家による「越境の会」の共同労作、第一期終刊
「明日のための交響曲を期した本誌が、どれだけのことを成したかについては、読者の判断に任すしかないが、我々は少なくとも、奴隷史観に陥るまいと、次の諸点をクリアする論を提示してきた。
 一、記紀史観に溺れることなく、畿内一元史観に立つことはなく、
 二、列島史を「一国枠」から解放し、歴史を解き明かし
 三、大和幻想に溺れることなく、原大和としての倭(やまと)を九州域内に提示し、
 四、九州王朝を「皇統枠」からの解放をはかり、
 五、列島王権の相剋を東アジアの民族移動史の二つの流れに位置づけ、
 六、史料分析を指示表出からするだけに止まらず、幻想表出から解き明かし、隠された歴史の秘密に迫ってきた。
 これら諸点について我々の掘削が、それぞれにおいて十二分に果たされたとは言わないまでも、それらに先鞭つける提起としてあったことについては、いささか胸を張れると思っている」(「第一期終刊にあたり」より)
 

【好評既刊 同時代社古代史関連書】

●『越境としての古代』 越境の会/編 定価1600円+税
市民による古代史研究運動が生み出した労作

●『越境としての古代2』 越境の会/編 定価1600円+税
古代史を反転させる越境戦の持続的展開

●『越境としての古代3』 越境の会/編 定価1900円+税
越境世界からの万華鏡的報告集

●『越境としての古代4』 越境の会/編 定価2500円+税
大和から疑う古代史の知的転換の提起

●『越境としての古代5』 越境の会/編 定価1800円+税
記紀天皇制史観を覆す試み

●『越境としての古代6』 越境の会/編 定価1600円+税
偽書を含めての歴史学の再検討の提起

●『越境としての古代7』 越境の会/編 定価1500円+税
日本古代史のミッシング・リンクの解明

●『古代史論文集「倭国」とは何か』
「倭国」を徹底して研究する―九州古代史の会/編 定価1600円+税

●『「磐井の乱」とは何か―九州王朝多元説を追う』
「倭国」を徹底して研究する―九州古代史の会/編 定価1600円+税
北九州地域に並立した二つの王朝の権力闘争の側面から「磐井の乱」を再発掘しようとする試み

●『和姓に井真成を奪回せよ』 越境の会/編 定価952円+税
唐代の日本人・井真成の井氏を中国姓とする通説に対し、和姓に奪回する知的試み

●『豊前王朝―大和朝廷の前身』 大芝英雄著 定価1600円+税 大和朝廷の前身は豊前王朝にあったとする古代史観を覆す大展開の書

●『王権論の向こう側』 室伏志畔著 定価1600円+税 ユダヤ教、キリスト教の秘密から日本教としての天皇制の隠された秘密と淵源に迫る、待望の向こう側シリーズの第五弾

●『日本古代史の南船北馬』 室伏志畔著 定価1200円+税
日本古代史は南船系倭人と北馬系倭人の興亡史とする室伏幻想史学の到達点を示す論考

●『白村江の戦いと大東亜戦争―比較・敗戦後論』 室伏志畔著 定価600円+税
唐による倭国占領とアメリカによる日本占領を比較検討する、目から鱗の書。





2010年6月発行


『民間委託が公共サービスを壊す
――ドイツ地方自治体の反民営化・再公営化の闘いから学ぶ』

自治労宮崎県本部/編 杉田憲道/監修
A5並製 148頁 定価(本体1000円+税)



〈ドイツでは、公共サービス関連の労働組合ヴェルディ(Ver.di)との交流を継続して行うことにしました。2005年当時ドイツでは、ドイツ社民党(SPD)が政権を握っていましたが、新自由主義の台頭と財政危機により、これまで社会民主主義を支持してきた国民から懸念をもたれるような政策を実施しようとしていました。特に、福祉の分野で自己負担増を余儀なくされたハーツ(Hartz)法を提案するなど揺れ動き、結果的に政権交代に結びついてしまいました。
 これらの根底には、世界的に現象となっている財政問題と新自由主義思想が横たわっていました。そしてこれらは、労働組合にも大きな影響を与えてきました。その現れが、民営化であり、そのことにより公共の定義と公務労働の問題がクローズアップされてきました。日本でも、構造改革の名のもとに規制緩和が行われ、公務部門の民営化や民間委託、独立行政法人化など、「官から民へ」の流れが急速に進んでいました。
 そこでドイツにおける同様の課題を、ヴェルディがどのように取り組んできたのか研修してきました。その取り組みの報告を、海外研修のアドバイザーである熊本学園大学の杉田憲道教授がまとめたのが、この小冊子です。
 日本における公共サービスを考える上で、「生活上の配慮」の概念を重視するヨーロッパのあり方など参考になると思いますし、コスト比較の取り組みなども紹介されています。
 自治体職場における「公共サービスを守るたたかい」の参考になれば幸いです〉
 (「発刊にあたって」より)


〈主な内容〉
(1) ドイツにおける反民営化・再公営化闘争の現状と課題
     ――ヴェルディの闘争から学ぶ
(2) ドイツにおける反民営化闘争の実践的課題
     ――ライプチヒの市民運動の経験から学ぶ
(3) EU諸国の民営化の現状と課題





2010年6月発行


『吉見春雄 戦時下の短歌ノート』

佐野ウララ/編
四六並製 176頁 定価(本体1500円+税)



古びた三冊の日記帳。そこに記されたおびただしい数の短歌。
そこには、治安維持法下に抵抗者としてはげしく生きた、青春の「ものがたり」がある。
【解説】伊藤晃「1920年代の左派青年運動」


〈主な内容〉
一  生い立ち 抒情のころ
二  中学時代
三  疾風怒涛の時代
四  上京、働きながら東京外語をめざす
五  社会運動、思想団体の渦中へ
六  ML会、共産青年同盟の活動
七  外語退学、関東大震災を経て、静岡で青年運動を
八  全日本無産青年同盟本部
九  治安維持法による弾圧、獄内でのたたかい
一〇 病身で脱走、潜行生活
一一 静岡で逮捕・入獄、第二次大戦



2010年3月発行


『地域教育の構想』

三上和夫・湯田拓史/編著 A5上製 304頁 定価(本体4200円+税)



教育理論および政策研究を地域と社会の視点から、
歴史的、多角的に捉え直す集団的研究の試み。

「教育制度研究においては、学校をはじめとする教育機能遂行の社会施設に制度価値を凝集するに止まらず、むしろ社会そのものの属性として、複合的構造性と多機能性を捉えきり、機能相互の共変関係などを仮設されてゆくことが求められるのである」(三上和夫〈教育理論における「社会」〉より)


〈主な内容〉
はじめに  ●清原正義
教育理論における「社会」  ●三上和夫
コミュニティ・スクールとチャータースクール  ●高野良一
都市の地域特性と教育統治  ●小松茂久
学校統廃合をめぐる政策研究課題の今日的再検討  ●山下晃一
第三次小学校令の成立と実施に関する研究  ●柏木 敦
戦前期学校経営政策における「地方」の位置  ●平井貴美代
中国における「民工子弟学校」の設置の意義  ●黄  敏
教員養成における地域  ●高野和子 在日外国人児童生徒に対する地域教育の将来像  ●于  涛
高等学校無償化政策の制度的課題と若年層の教育機会  ●末冨 芳
長野県辰野高等学校における学校評価活動  ●笹田茂樹
地域社会と大学との連携の現状  ●小早川倫美
環境問題における教育の役割  ●藤岡裕美
「生活環境整備補助金」による学校整備  ●湯田拓史






2010年2月発行


『都市の学校設置過程の研究
―阪神間文教地区の成立』

湯田拓史/著
A5上製 200頁 定価(本体3200円+税)



都市社会における「教育の公共性」の変容を、
学校設置過程を通して検証し、教育の社会管理の方途を導き出す。


〈主な内容〉
序 章 都市化と学校設置
第一章 都市教育の制度構想
第二章 都市化と変容する地域教育
第三章 教育行政の整備と住民
第四章 教育行政区画の再編と住民
第五章 地域社会の構造転換と住民
第六章 中等教育機関の設置と住民
終 章 都市の共同財産と文教地区との関係


〈現在進行中の教育改革は、学校の設置主体と設置形態のあり方を大きく変えようとしている。こうした状況に対して、一九二〇―一九三〇年代の日本の大都市を対象として、都市社会における教育に関するルール設定の過程を、学校設置を通して検証する。当該期に対象を設定した理由は、都市問題とそれに対する都市計画によって、現在と同様に社会構造が大きく変化したからであり、現在の社会構図の原型とでもいえる社会秩序が構築されたと考えるからである〉(「はしがき」より



2010年2月発行


『思想は空から降ってはこない
―新訳・唯物史観概説』

アントニオ・ラブリオーラ/著 小原耕一・渡部 實/訳
四六上製 316頁 定価(本体3000円+税)



若き日のレーニンやトロツキーに大きな感動を与え、グラムシは「ラブリオーラの哲学的な問題提起を圧倒的地位にまで引き上げること」を訴えた。名著新訳。

[第一論考] 共産主義者のマニフェストを記念して

[第二論考] 史的唯物論について―予備的考察
  第1章  唯物史観とヴェルバリスモの陥穽
  第2章  歴史過程の客観的説明としての史的唯物論
  第3章  史的唯物論とイデオロギー的《外皮》
  第4章  歴史を自然に従わせるとは何か
  第5章  歴史決定論と諸階級の心理学
  第6章  史的唯物論と歴史的諸要因の歴史学
  第7章  思想は空から降ってはこない
  第8章  史的唯物論と国家および法の起源
  第9章  中間的な要約
  第10章  モラル、芸術、宗教および科学
  第11章 史的唯物論と経済史および歴史経済学
  第12章 進歩とは何か―経済学批判から歴史の弁証法へ
  
[訳者解題] アントニオ・ラブリオーラ「史的唯物論」研究によせて
                         小原 耕一
 はじめに
(一)「ヘーゲリアンからマルクシアンへの飛躍」
(二)エンゲルスとの交友関係
(三)エンゲルスへの問題提起
(四)若き日のレーニン、トロツキーと『唯物史観概説』との出逢い
(五)ラブリオーラと「マルクス主義の危機」論争
(六)ラブリオーラとクローチェ、ジェンティーレ
(七)ラブリオーラとマルクス主義の再検討
(八)ラブリオーラとグラムシ
(九)ラブリオーラ、レーニン、グラムシと『経済学批判序言』(マルクス)
(十)「社会革命の理論」としての「史的唯物論」


[第一論考から]
「批判的共産主義――これがその本当の名前であり、そのような学説としてこれ以上正確な名前はない――は、[中略]日毎の生活の物質的利害にかかわる現実の対立関係を、形而上学的な煩瑣な議論とか、病的な感情にもとづく省察とか、あるいはまた宗教的な観照とかで言い表すことはなかった。[中略]批判的共産主義は、その一つひとつの部分が調和のとれた形で仕上げられた図面にもとづいて将来社会を構築したのではない。……」。
「この歴史観は、プロレタリアートの本能的な意識において、またプロレタリアートの突然の熱狂的な運動において、革命の本来備わっている内在的な必然性を認識した行為において、多少とも明確にあらわれた、あの新しい社会革命の必要性を理論にまで引き上げることによって、革命それ自体の考え方を変えたのである。……」。


[第二論考から]
「思想は空から降ってはこない。我われは夢の中で天の恵みを受け取るわけではない。
ここで今予備的な検討と説明をくわえている当の歴史理論を最終的に産み出したところの、思考方法における転換は、幾多の重要な政治-経済的革命が起こったまさにこの人間の発展の時代に、初めはゆっくりと、その後はますます加速しておこってきた。いいかえれば、この時代というのは、いわゆる自由主義的[liberale]な政治形態の面だけでなく、プロレタリア大衆にたいする資本の支配によって出来上がったその時代の基部を注意深く調べてみるならば、無秩序な生産の時代でもあった。新しい思考方法の考案も含めて、この思考における転換は、新しい《生》の経験を一歩一歩反映させてきた。この転換は、最近の二百年間に起こった諸々の革命的激変のなかで、その転換の直接的な諸条件についての実際の正確な意識が獲得されてくるにつれて、神話的、神秘的、宗教的な《外皮》を徐々に脱ぎ捨てるようになってきたが、同じようにして、この《生》を要約し理論化する思考もまた、神学的および形而上学的な建前を脱ぎ捨て、しまいには……散文的な主張に逃避してしまうようになった。……」。(第七章)



ふるさとへのオマージュに貫かれたエッセイ集
2010年3月発行


『「五センチ」になった母』

橋爪法一/著(上越市議会議員)
四六並製 定価(本体952円+税)



「橋爪法一という人は、ふるさとの中にいてこそ無限の生気をもらい、もらった生気をふるさとにお返しすることで生きている人だ」(近藤典彦氏・国際啄木学会理事)

〈片方の手をゆっくり前に出し、右手親指と人差し指を五センチくらい広げ、「はあ、これくらい」と言ったのです。
 父の頭の中には自分の連れ合いは小さいんだということがこびりついているんでしょう〉(本文〈「五センチ」になった母〉より)




橋爪法一の既刊書


『春よ来い』

四六並製 定価(本体1143円+税)




2010年1月発行


『核なき世界へ』

岩垂 弘/著
四六並製 256頁 定価(本体1900円+税)



日米密約<核の傘>から離脱し、核廃絶に向けて一歩踏み出す好機がきた!
日本は<唯一の被爆国>ではない。ヒバクシャは地球の規模で生まれている。

〈世界は「核兵器のない世界」を目指して動き出した。核兵器が開発されてから六四年。地球上に初めて芽生えた新しい動きだ。かつての米ソ二大核超大国による果てしない核軍拡競争を見てきた者には、信じがたいほどの大変化である。……
核兵器廃絶運動も世代交代が進み、運動の歴史を知らない人たちが増えている。日本の運動が世界の運動の中でどんな位置を占めてきたか、運動の実態はどんなものであったか、日本の運動が克服しなくてはならない課題はなにか。そんな点を考える上で参考にしてほしい、という願いから、本書をまとめた〉(「はじめに」より)



〈主な内容〉
(1) 原水禁運動を追い続けて
(2) 第五福竜丸保存のために
(3) <沖縄>について考える
(4) 護憲運動の現状と課題
(5) 反核・反戦・平和に生きた人びと


書評「長野日報」2010年2月26日



2009年12月発行


『創られた天皇制
――近現代天皇政治心理史研究:戦争責任・A級戦犯・靖国神社』

裴富吉/著 
A5並製 488頁 定価(本体4800円+税)



「近現代天皇制=意図をもって製作された〈創造物〉」とする視点から、その裏史、外史、野史にも視野を広げ、〈民主主義国家日本〉における、天皇・天皇制存在改革の途を探る。
「靖国参拝」を基底にした政治心理史的研究の書。

「本書は、一九世紀後半〜二〇世紀前半、欧米を後追いする格好で亜流帝国主義を発進させた日本帝国の終焉によって、つまり、第二次世界大戦〔アジア‐太平洋戦争〕後における新しい「日本国」の民主化体制のもとに遺された

 (イ)旧体制的要因「昭和天皇〈裕仁〉:天皇制」を主軸にし、
 (ロ)彼にまつわる政治心理史的な諸問題を、
 (ハ)靖国神社に合祀されたA級戦犯という霊的存在

を媒介に、日本の天皇・天皇制史問題を幅広く考察しようとするものである。
 要は、本書の目的は、昭和の戦時‐戦後期における靖国神社史の戦責関連問題に直接した「天皇‐天皇制」の本質的課題を、今日的な見地よりとりあげ、将来における関連問題も議論する。なかでも、その議論の焦点が合わせられるのは、明治期の日本帝国において創られてきた「天皇・天皇制の存続可否」問題である」
(「第一章 問題意識―なにを論じるのか―」より)



〈主な内容〉
第一章  問題意識―なにを論じるのか―
第二章  稲垣久和『靖国神社「解放」論』二〇〇六年
第三章  A級戦犯問題
第四章  天皇の参拝問題
第五章  昭和天皇の戦前‐戦中‐戦後
第六章  昭和天皇
第七章  明治天皇
第八章  平成天皇
第九章  天皇陵の歴史と本質
第一〇章 天皇制の現在
第一一章 天皇制の根柢問題
第一二章 天皇制と靖国参拝
第一三章 新世紀の天皇制
第一四章 天皇制問題の正史と外史



2009年12月発行


『シルクロードの〈青の都〉に暮らす
――サマルカンド随想録』

胡口靖夫/著(ウズベキスタン・サマルカンド国立外国語大学教授)
四六並製 288頁 カラー口絵 定価(本体1900円+税)



〈ウズベキスタン〉ってご存じですか?
 暮らしてみて見えたこと、分かったこと――
 自然・イスラーム文化・遺跡・歴史・教育、
 そして生活事情のすべて。


〈蒸し暑くじっとしていても汗が吹き出す酷暑の日本から、気温は高いが空気が乾燥しているので木陰の涼しいウズベキスタンに着くと私はほっとする。ことにサマルカンドは、パミール高原の涼しい風と豊富な冷たい水が流れ込み、街路樹が茂っているおかげで最も過ごしやすい。ティムール(一三三六〜一四〇五)が、中央アジアに広大な版図をもつティムール帝国を樹立したときその都に定めたのは、暮らしてみるとじつに賢明であったことがよくわかる。
 サマルカンドとは、「人々が出会う場所」という意味で、シルクロード交易の主要拠点として繁栄し、古くから〈青の都〉、あるいは〈東方の真珠〉という異名をとるほど美しい街として賞賛されてきた。また〈文明の十字路〉として二〇〇一年に世界遺産に登録された〉(「まえがき」より)


〈主な内容〉
第一章 ウズベキスタンと現代の日本
第二章 街と人と暮らし
第三章 文化と教育
第四章 イスラーム教とソ連時代のウズベキスタン
第五章 シルクロードをめぐって




2009年11月発行


『誰も切らない、分けない経済
――時代を変える社会的企業』

編著:共生型経済推進フォーラム
企画:柏井宏之・境 毅
協力:近畿ろうきん地域共生推進室
A5並製 288頁 定価(本体2000円+税)



◎本書を推薦します◎ 
福田衣里子(民主党 衆議院議員)

《命には一寸の差もない。
命に線引きをし、切り捨てる。何故、こんな冷たい社会になってしまったのか。私たちは歯を食いしばって生きてきたはず。政治とは、時に多くの命を奪います。しかし、多くの命を救うのもまた政治。抱える苦悩や理不尽の中、懸命に生きる方々を支える、社会的事業の試みに希望を感じます》


新たな労働・福祉の仕組みづくりは、着実な一歩を進めている。
丹念な聞き取り調査から明らかになった、社会的企業モデルケースの実像。
二つのシンポジウム「反貧困キャラバン連帯」「誰も切らない経済を地域に創る」全報告。
政権交代が実現したいま、本書は、現場から発信された政策提言の書でもある。




兵士の命より一枚の軍用地図が重い時代があった。
2009年10月発行


『対外軍用秘密地図のための潜入盗測
――外邦測量・村上手帳の研究』
第一編「外邦図」はどのように作られたか

牛越国昭(李国昭)/著
A5並製 定価(本体5000円+税)



井出孫六氏すいせん!
〈一九世紀初頭、「大日本沿海與地全図」を作った伊能忠敬の故事は教科書にも載っているというのに、明治から昭和戦争期の地図史は旧陸軍参謀本部の奥に秘められたままだ。本書は一測量手の残した厖大な日記を手がかりに恐るべき外邦図作製の実態に肉迫し、地図史のみならずこの国の近代史の書き替えに迫っていく。〉


【第一編の主な内容】
第一章 日本の近現代地図政策の特質
第二章 参謀本部将校派遣制度と朝鮮・中国の軍用地図
第三章 「外邦図」――侵略戦争のための対外軍用秘密地図
第四章 臨時測図部創設の意義―外邦測量の本格展開
第五章 甲午日中戦争時臨時測図部による測図活動
第六章 甲午日中・日露戦争間期の秘密測量
第七章 日露戦争と臨時測図部の活動
第八章 臨時測図部の一九〇七年新編成
第九章 〇七年体制の破綻と完全な潜入秘密測量体制への移行



書評「図書新聞」2009年12月12日号


書評:『潜入盗測:外邦測量・村上手帳の研究』を読む/山田正行



2009年9月発行


『ぼくと「未帰還兵」との2年8ヶ月
――「花と兵隊」制作ノート』

松林要樹/著(映画監督)
四六並製 256頁 定価(本体1600円+税)



地獄のビルマ戦線を生きぬいた元日本兵。
なぜ、現地での生活を選んだのか?
彼らの生きた人生は一体どういうものだったか?
ドキュメンタリー映画「花と兵隊」の監督によるもうひとつの「戦後」の記録


〈六十余年前、何の情報もない異国で、その土地の名前すら教えられず、祖国に顧みられることなく、屍となった兵隊たちがいた。兵隊たちは、二〇日分の食料をカタツムリのように背負わされ、補給もままならない状態で東インドに攻め行った。無謀な作戦として有名なインパール作戦である。インパール作戦を含めたビルマ戦線には、三三万もの日本の将兵が送り込まれ、戦没者は一九万人にも達する。そのほとんどが、物資の補給もなく、飢えと風土病で死んだ。
 その地獄の戦場を経験した兵隊で、戦後も日本に還らずに、かの地に根を張った「未帰還兵」の存在を知った。「未帰還兵」とは、映画監督・今村昌平が一九七〇年代に作った名前であり、敗戦後、日本に帰還せず、現地で生活をした日本兵のこと指す言葉である。未帰還兵は、戦前の日本の教育を受け、戦後日本の発展をはるか南方から眺めた。戦前のままで止まっている彼らの日本の記憶、価値観、家族。年をとるごとに募ってゆく日本に対する思い。ぼくは、彼らの生きた人生が一体どういうものだったのか、知りたいと強く思った。
 二〇〇六年一一月から二〇〇九年七月までの二年八ヶ月、タイ国内で泰緬国境付近やバンコク市内に暮らす六名の未帰還兵の家々を訪ね歩き、幾晩も彼らの家に泊まり込み取材を続け、今は八〇代後半から九〇代前半にさしかかる未帰還兵を追った「花と兵隊」という記録映画を作った。この本は映画の制作日誌といっていい〉(「まえがき」より)


【主な内容】
第一章 「未帰還兵」とぼく
第二章 藤田松吉との出会い――「花と兵隊」製作へ 
第三章 タイ・ビルマ国境――坂井勇と中野弥一郎
第四章 戦犯、泰緬鉄道、逃亡兵
第五章 帰還将兵と残留兵と
第六章 土地に根を張り生き残る
第七章 最終取材
エピローグ
 

映画「花と兵隊」公式HP http://www.hanatoheitai.jp/



2009年9月発行


『教育学としての教育行政=制度研究』

黒崎 勲/著
四六上製 256頁 定価(本体2500円+税)



戦後教育を支えてきた2大言説
――「戦後教育学」と「国民の教育権論」の
批判的受容と新たなる展開の試み。


〈なにより気にかかったのは、現在の教育学の蓄積が「戦後教育学」という言葉で総称され、一括されてそれらが閉鎖性、「戦後革新」との癒着などと取り沙汰されていることである。戦後六〇年を越える教育学研究の歴史的展開の全体を戦後教育学とよぶのであれば、それは多様で異質なアプローチの集合である。その分岐する学説の幾重にも重なり合う様態のなかに身を置いて教育学研究に従事してきたものにとって、「戦後教育学」と一括して非難するようなアプローチには、学問の発展の契機を探求しようとする真面目な姿勢を感じることが出来なかった〉(第1部「あとがき」より)


【収録】
 第1部 戦後教育学批判の批判的考察
 第2部 「国民の教育権」擁護論の批判的考察
 

●好評既刊 同時代社=日日教育文庫

『新しいタイプの公立学校』
 黒崎 勲/著 定価:本体2800円+税

『多元化社会の公教育』
 日本教育行政学会37回大会実行委/編 定価:本体2400円+税

『デュルケムと現代教育』
 ウォルフォード+ピカリング/編著 黒崎 勲+清田夏代/訳
定価:本体3900円+税

『共通の土台を求めて』
 デイヴィド・タイヤック/著 黒崎 勲+清田夏代/訳
 定価:本体2800円+税

『〈増補版〉教育の政治経済学』
 黒崎 勲/著 定価:本体3800円+税




2009年8月発行


『戸坂潤と〈昭和イデオロギー〉』

津田雅夫/著(岐阜大学教授)
A5上製 308頁 定価(本体3500円+税)



「ここには、戸坂潤や三木清や小林秀雄、さらには西田幾多郎や和辻哲郎といった人物が登場する。彼らに対して、たしかに私は絶対的意味で中立ではない。それぞれに対する個人的な「思い入れ」はある。しかしながら、むしろ私が共感するのは、彼らの織り成す<論議世界>そのものである。したがって、「思い入れ」に関わる私の評価は、「文学」と「哲学」、「科学」と「技術」、「常識」と「モラル」、「観念論」と「唯物論」、等々のカテゴリーのどこに重点を置くのかで、万華鏡のように変化する。そして、その万華鏡の世界を忠実に映し出してみたいというのが、私の願望なのである」(「あとがき」より)


【主な内容】

 「ものの思想」―序に代えて

第一部 戸坂潤と<昭和イデオロギー>の成立
  第1章 大衆論と『日本イデオロギー論』―「思想としての文学」―
  第2章 「レトリック」と「科学的なモラル」
  第3章 京都学派と戸坂潤
  第4章 「文学」と「哲学」
  第5章 小林秀雄と<昭和イデオロギー>

第二部 <昭和イデオロギー>の構想
  第6章 「弁証法」をめぐる諸問題
  第7章 「批判」の成立―<無>の反転―
  第8章 「もの」と「直観」

第三部 思想伝統と風土論
  第9章 宗教批判の伝統
  第10章 風土論の背景―その思想的明暗に寄せて
  第11章 『風土』の成立―講義草案「国民性の考察」の検討
 

関連図書『遺産としての三木清』



2009年7月発行


『「日本は支那をみくびりたり」
――日中戦争とは何だったのか』

纐纈 厚/著
四六判上製 192頁 定価(本体1900円+税)



「日本は支那をみくびりたり」(昭和天皇)――日中戦争突入後に発せられた天皇の悔いは、対中国認識の誤りの原点であった。
過去を隠蔽する国家、過去を忘却しようとする国民――日中間に潜在する歴史認識の乖離を埋める。

【主な内容】
序 章 忌避される戦争の総括
第一章 日中戦争とは何だったのか
第二章 日本人は中国をどう見てきたか
第三章 日本は誰に「敗北」したのか
第四章 日本は中国に「敗北」し、アメリカに「降伏」した
 
●纐纈厚(こうけつ・あつし)
1951年岐阜県生まれ。一橋大学大学院社会学研究科博士課程修了。山口大学人文学部教授、政治学博士。遼寧師範大学客員教授、韓国平和統一研究所海外研究員。



ゆっくり、ゆったり、ゆたかに生きる。
2009年9月発行



『スローライフ・スローメディシン

――医療の基本は自然治癒力』

川上立太郎+尊厳生の会/編著
四六上製 240頁 定価(本体1500円+税)



患者のもっている「治癒力」を信じたい――
「医原病」(医療行為が原因の疾患)をふせぐ道。
 

【主な内容】
第一章 緊急事態、日本の医療(尊厳生の会)
第二章 患者のためだけを考えた医療(川上立太郎)
第三章 医療の基本は自然治癒力
    産業医の視点から(黒沢純夫)
    法律家の視点から(吉川孝三郎+佐竹俊之)
    歯科医の視点から(根間英人+泉邦彦)
    薬剤師の視点から(大石暢子)
    鍼灸師の視点から(石崎卓)
    美容外科医の視点から(平賀義雄+西山真一郎)



2008年8月発行




『酔十夢』(全二巻)

手塚英男/著
四六上製 定価各(本体2800円+税)



●第一巻収録作品
宵梅雨 藤棚の下でセツラーの清子が最後に歌った「ぐみの木」
薔薇雨 1960年6月、その夜国会南通用門で彼女は斃れた
くみ花 真夜覚めて「りんごの花」の歌うたふ 妻逝きて三月 冬の雨降る
双身樹 かつてK町セツルの理論家だった小森と20数年ぶりに再会した

●第二巻収録作品
微笑面 父のデスマスクは私に何を伝えようというのか
林檎風 「帝国大学出の学士様やい」とからかわれた新人公民館主事
音蔵碑 日露戦争で戦病死した音蔵と一緒に美し峰を仰ぎ見た
童子墓 本堂の階段に座って、十歳の兄は私を30年待った
犬居士 父子の葛藤。長男の深夜の友だった犬が死んだ
姉様坂 二人の幼子を連れ、姉は信州の我が家に戻ってきた



2008年8月発行

日本老民考シリーズ 第1話
『二人の竹取の翁』

手塚英男/著
定価(本体800円)
シリーズ全6話完結



手塚さんの本、読むのが楽しみです。
発刊に期待します!

手塚さんの本が出る!
そんな計画を聞きつけた各地各方面の方々から
期待の声が寄せられました。

<期待の声>




文学と思想を科学する雑誌
2008年7月発行

『葦牙 ASHIKABI 35』

「葦牙」の会/編
A5 定価(本体1800円+税)



【主な内容】
追悼特集◆加藤周一を偲ぶ
田口富久治・藤井 正・照井日出喜・山根 献
◆沖縄 ◆アメリカ

ASHIKABI-HP
http://www1.odn.ne.jp/ashikabi/




2009年3月発行


『権力を取らずに世界を変える』

ジョン・ホロウェイ/著
大窪一志・四茂野修/訳
四六判並製 560頁 定価(本体3000円+税)



「本書は、世界中で行動を起こしている新しい世代にインスピレーションをあたえてきました。そして、社会変革の可能性について実りある議論を、いまも生み出しつづけています」マイケル・ハート(『〈帝国〉』共著者)

●権力を取って世界を変えようと思ってきた人々に――衝撃の書。
●革命が不可欠でありながら不可能と見える時代に――論争の書。
●英・独・仏・西語につづく日本語版ついに発刊!


「本書はA・ネグリとM・ハートによる『<帝国>』とならんで<自治運動>マルクス主義にとって鍵となる著作である」アレックス・カリニコス

「革命的な思想にとってきわめて力強く訴えかけてくるものがあります。すべての活動家、若い人たちにも年配の人たちにも、読むことを奨めます。……まったくすばらしい!」マイケル・レヴィ

「ホロウェイのこの著作は、挑戦的なもので、すべてにわたって正しい答えを求めています。けれど、同時に、その問いかけに答えるために必要な材料をこれほど提供してくれている本もないのではないかと思います」マルセル・ステッツラー

「この重要な意味をもった著作は、エルンスト・ブロッホ、ルカーチ、ゾーン=レーテル、ルービン、パシュカーニス、アドルノ、ホルクハイマーと同じ系譜を受け継ぎ、同じ水準に立っています」ヘラルド・アバロス


【ジョン・ホロウェイ】
社会学・哲学・政治学者。1947年、アイルランドのダブリンに生まれる。エディンバラ大学に学び、政治学で博士号を得る。同大学教授などを経て、現在はメキシコのプエブラ自治大学社会人文科学研究所教授。メキシコのサパティスタ運動、アルゼンチンのピケテーロス運動などの民衆運動に実践的・理論的に関与し、世界社会フォーラムで活躍。アントニオ・ネグリ、マイケル・ハートと並び称される反権力(アンチパワー)思想家。


【主な内容】
1叫び/2国家を越える?/3権力を越える?
4物神崇拝―痛ましいディレンマ/5物神崇拝と物神化
6反物神崇拝と批判/7科学的マルクス主義の伝統
8批判的・革命的主体/9反権力の物質的リアリティ
10 反権力の物質的リアリティと資本の危機/11 革命?
エピローグ 立ち向かいながら乗り越えていく運動


【佐藤 優 氏 書評!】

●自由で平等なあたらしい社会をつくることは可能だ

「貧困、差別、抑圧を打破することで、人間の本来性を回復しようとする運動は昔からある。しかし、人間を解放しようとした革命は、例外なく政治弾圧を生みだした。ソ連の事例を見るならば、先進資本主義国の大多数の人々にとって、社会主義よりも資本主義の方がずっとましだ。ソ連型社会主義を批判した新左翼も自己絶対化の傾向が強く、内ゲバを起こしたりしたので、人々の共感を得ることができなかった。
 ホロウエイは、過去の社会主義の欠陥が権力を取って、世の中を変えようとしたところにあると考える。そして、全く別の、身の回りの社会から変革を考える。<私たちは資本主義の支配の裂け目から出発します。あらゆるところに遍在しているノー、拒絶、不服従、立ち向かいながら乗り越えていこうとして自己を投影していく営みから出発するのです>(425頁)。目に見える具体的な人間の助け合いを強調するホロウエイの思想は現下日本の閉塞状況を突破する力をもつ」(「ダ・ヴィンチ」2009年7月号)
 


2009年3月発行


『新版 相互扶助論』

ピョートル・クロポトキン/著 大杉 栄/訳
【解説】大窪一志 【現代語訳】同時代社編集部
四六判並製 336頁 定価(本体3000円+税)



〈個の自由と助け合いは対立しない。アナキズムの深遠「一人はみんなのために、みんなは一人のために」の理想をもう一度〉【推薦】斎藤貴男氏(ジャーナリスト)

新自由主義と自己責任論の残した無惨な破局のあとに、「相互扶助」は人間と社会の再生をかけたキーワードにちがいない。20世紀初頭に誕生した名著は、この時代だからこそ切実に求められている。

「クロポトキンは、ダーウィンの影響を受けた〈進化論〉者の一人であったが、その内容において、適者生存の原理、生物界の不断の闘争と生存競争の法則をつよく批判した。そして、これに対置して〈相互扶助〉の原理を〈進化〉の〈一要素〉とした。〈相互扶助〉の原理を受け入れ、引き継いだ〈種〉のみが自らを進歩させ、〈進化〉し、自らを維持することができたのであると。今から百年前の検証作業ではあるが、その展開は滔々と流れる大河の流れのごとく、読む者を飽きさせない」(「発刊にあたって」より)


【主な内容】
序 論
第一章 動物の相互扶助
第二章 動物の相互扶助(続)
第三章 蒙昧人の相互扶助
第四章 野蛮人の相互扶助
第五章 中世都市の相互扶助
第六章 中世都市の相互扶助(続)
第七章 近代社会の相互扶助
第八章 近代社会の相互扶助(続)
結 論
<解説>甦れ、相互扶助(大窪一志)


「旧版」の書評



2009年3月発行


『貧困社会と若者―僕の「青いノート」
市村聖治/著(前・日本青年団協議会事務局長)
A5判並製 224頁 定価(本体1800円+税)



若者が生きにくい時代、
希望はどうしたら拓けるか。
青年団活動を通して見えてきた可能性。
「本書は、青年たちとの出会いのなかから自己形成した著者の、感謝と連帯の至情の書である」谷貝 忍(日本大学教授)


【主な内容】
第1章 若者が生きにくい時代
  1 若者に押し寄せる貧困
  2 若者を取り巻く課題

第2章 若者たちの主体的な学びと運動のあゆみ
  1「青年期」とは
  2 戦前の若者たちの動き
  3 戦後の若者たちのうごき

第3章 新しい時代を拓く知恵
  1 共生のための学びの場
  2 新しい家族・地域の創造と若者の役割
  3 人間らしい労働と生命を大切にする科学へ
  4 もうひとつの世界は可能か!?




2008年12月発行


『父ゲバラとともに、勝利の日まで
―アレイダ・ゲバラの2週間』

星野弥生/編著・訳
四六判並製 280頁 定価(本体1800円+税)



「世界の苦痛に敏感であってほしい」
父ゲバラは若者に語りかけました―。

●戸井十月(作家)
 何より前に、他人の痛みがわかる人間であれと言い遺した、ゲバラ。
 その娘、アレイダは、父の意志を体現するように強くて、包容力に満ちた女性だった。


【主な内容】
第一部 アレイダ・ゲバラ講演録
 第1 話  「ティオ、パパと何を話したの?」(JICA地球ひろば)
 第2 話  私たちには、歌い、踊り、笑い、愛する時間がある
       対談 アレイダ×辻信一(JICA地球ひろば)
 第3 話  尊厳のある平和のために(明治大学)
 第4 話  子どもたちは愛されていることを知っている
       対談 アレイダ×阿部知子(明治大学)
 第5 話  キューバの医療制度と国際連帯(神戸・大阪・佐久)
 第6 話  キューバの生きる道は自分で決める(京大会館)
 第7 話  「ぼくの敵にも白い薔薇をあげよう」(大阪)
 第8 話  世界の苦痛に敏感であってほしい(広島市立大学)
 第9 話  アレイダ、社会主義を語る(広島市立大学)
 第10話 日本のみなさん、ありがとう(議員会館)

第二部 アレイダ・ゲバラさんの2週間 (星野弥生)
 1 アレイダさん招聘経過
 2 アレイダ日誌
 3 アレイダさんと出会うまで


「二週間、彼女とほとんど一緒にべったりと時をともにし、かたわらで朗々とした彼女のスペイン語を聞いた。ときに腕を振り上げて響き渡るアジテーションのような力強い言葉を聞きながら、ああ、もったいない、ここに来ていない人にもなんとか聴いてほしい、と何度思ったことだろうか」(「あとがき」星野弥生)




2009年1月発行


『異端派生協の逆襲
―生協は格差社会の共犯者か』

下山 保(パルシステム初代理事長)/著
四六判上製 256頁 定価(本体1800円+税)



「今生協には新たな問題が立ちはだかっている。格差社会の中で、生協の役割が機能せず疑問を持たれていることだ。否むしろ格差社会に同調しその一翼を担っている状態にあることだ。私はそれを〈格差社会の共犯者〉現象と呼んでいる。なぜなら生協のほとんどの組合員は中流層に限られ、生活困窮者は生協を利用できないからだ。生協は貧乏人を排除している実態にある。生協は、格差の共犯者たる位置から自己改革をしなければならない。……本書による生協観は、これまで誰も指摘しなかったことであり、またわかってはいても言われなかったことである。生協人を自負する方々には聞きたくないことを書いた」(下山保「はじめに」より)


【主な内容】
プロローグ どうした生協
ギョーザ問題から見る/信頼関係の喪失/生協は格差社会の共犯者か/情という資本/「D」トップ/マイナスは力

1 落ちこぼれ生協
共産党―ブント―社会党―生協/自治会で生協設立/地に足がついた/運動と経営の対立/暴力生協/清貧の癒着/チューケイ(中計)という怪物/失敗した連帯/消滅の危機/負け惜しみ/こだわりつづけた/出資金自動積立

2 「ダメ生協」の逆襲
「わがまま」の連帯/近代化への立ち遅れ/スモール・イズ・ビューティフル/「近未来のための提言」/お百度参り/路線論争/政経分離/事業連合法人化/みにくいアヒルの子/個配事業で大化け
3 異端のDNA
マイナスのプラス化/プラスのマイナス化/多様性の共存/個の時代のはじまり/細胞幻想の抵抗/トップの世代交代/トップの仕事/パートナーシップ

4 新しい協同のかたち
二一世紀の生協像を求めて/格差是正型生協/「もったいない」が生きてくる/救済から相互扶助へ/「購買マーケット」と「販売システム」/生協の最大資源は組合員/生協インフラの社会的開放/二〇〇〇万組合員連帯
 
エピローグ 波風よ、立て
正しいものは一つではない/マイナスの価値/左翼の墓碑銘/乱れの組織文化へ





2008年11月発行
気鋭のジャーナリストによる書評集

『カナリアが沈黙するまえに
―斎藤貴男書評選集2004-2008』

斎藤貴男/著
四六判並製 304頁 定価(本体1800円+税)



憤怒の貧困砂漠を行く。
そこで出会った200冊。
監視・偽装・崩壊・堕落・追従・卑劣……
いっさいを突き抜ける途を探れ!

〈カナリアという鳥は敏感なので、昔から炭鉱の毒ガス検知などに利用されてきた。……本書が取り上げた論考やノンフィクション、小説作品などはどれも私たちの未来にとって重要な警鐘を乱打しているものであり、こうした刊行物が万が一にも絶やされてしまわないうちに、議論を尽くし、改善に向けた行動を起こそうではないか、という意味を込めている〉(「あとがき」より)


【主な内容】
はしがき  今、五味川純平を読む意味
第一章 アメリカに呑みこまれる世界
第二章 憤怒の貧困砂漠を行く
第三章 監視者たちを監視せよ
第四章 自画像を描けないマスメディアのおごり
第五章 人間は息をする財布か―企業社会の倫理
第六章 共鳴する「不服従」の精神
第七章 戦乱のアジアに見る―戦争と人間
あとがき
書名索引
編・著者索引





2008年11月発行
葛西・公安警察ブロックの正体を暴く!

『JRの「ドン」葛西の野望を警戒せよ!
―求められる労働運動の対抗戦略』

樋口篤三/著
ブックレット 96頁 定価(本体510円+税)



〈私は本書でJRのあらたな「ドン」葛西の野望の一端を明らかにしたつもりである。その「証拠」となる資料も可能なかぎり収録した。ぜひ目を通してほしい。その上で野望を挫く途を読者とともに考えていきたいと思う。……JR労働者たちの要求に基づく闘いと団結の輪を拡げていくように、私たちがそれを支援していくことだろう〉(「結び」より)

決定的資料完全収録
資料1 「佐藤正男オーラルヒストリー」より
資料2 衆議院国土交通委員会議事録より
資料3 警察庁と警視庁による「JR総連=革マル」説流布の構造
資料4 西岡研介陳述書(全文)





2008年10月発行

『「名ばかり店長」「名ばかり労組」じゃたまらない』

「すかいらーく」「マクドナルド」「JOMO系GS」の罪と罰
 ――過労死・労災の実態と闘い

過労死をなくそう!龍基金/編
〈龍基金〉 中島晴香・須田光照
〈対 談〉 雨宮処凛×佐高信
〈寄 稿〉 石川源嗣(全国一般東京東部労組副委員長)
      五十嵐 仁(大原社会問題研究所所長)
ブックレット 80頁 定価(476円+税)



 本書は、2004年8月、過労死によって亡くなられた当時〈すかいらーく〉店長であった中島富雄さんの意志を継いだ妻の晴香さんが中心となって設立された「過労死をなくそう! 龍基金」によって編纂・企画されたものです。全国一般東京東部労組も協力しました。
「名ばかり店長(管理職)」という言葉の説明はもはや不要でありましょう。これほどまで社会的認知が広がったのは、労働運動の成果であろうと思います。
 しかし、先日(9月9日)の厚生労働省が出した通達に見られるように政財界は「労働時間の規制緩和」をあきらめていません。
 今、この時こそ「名ばかり店長(管理職)」の問題をますます世に問うていかなくてならないと考えました。一人でも多くの方に手にとってもらいたいと切に願っております。
 また、本書では「名ばかり労働組合」という存在についても踏み込んでいます。労働組合とは何のために、誰のためにあるのか提起しました。


【主な内容】
序 章 「名ばかり店長」と「名ばかり労組」
第一章 夫は龍のように生きたかった―「龍基金」はどうしてできたか
第二章 死なないで、店長! 道は拓ける
    JOMO系GSと「すかいらーく」で起きた過労死・被災事件
    夫はくも膜下出血、一命をとりとめたが(JOMO系GS)
                       ―― 橋 美智代さん
    「すかいらーく」は息子に謝罪を    ―― 前沢笑美子さん
    私は「名ばかり管理職」―現役店長(マクドナルド)の陳述書
                       ―― 高野 廣志さん
第三章 「名ばかり労働組合」って何?
    「強い店長」求める企業内労組の罪
    どんな労働組合でも、いいわけではない
    「名ばかり労組」にならないために
第四章 過労死ノー! 生きさせろ  対談 雨宮処凛×佐高信





2008年10月発行

『疾駆の記――国労時代とその後』

牧野文夫/著
四六判 272頁 定価(本体2000円+税)



1960年代初頭、国労本部青年部長として活動し、その後、実業界に転進――。
「アカい社長」とよばれた著者によるもう一つの「革同」史。

〈私は一九五〇年代半ばに国労運動に参加して以来、国労人生を全うする決意でいた。そこに自分の全人生を賭けていた。ところがいくつかの事件を契機に、その志は挫折を余儀なくされた。それからの私は、事業家としての人生を歩み、さらに今、有機農業を営んでいる。この紆余曲折の中に、いったいどんな人生があったのか。そしてその紆余曲折の人生に、どんな未来への運動イメージが浮かび上がり、沸きあがってくるのか――語ってみることにしよう。本書は、必ずしもこれまで十分に語られることのなかった国労活動家の人生の軌跡である。そのことを通して、「戦後」という時代の一側面を浮かび上がらせ、そして閉塞する現代を撃ちたいと願っている。かつての仲間たち、そして私たちの志を受け継いでいる若者たちへの「対話」のためのメッセージだ〉(「プロローグ」より)


【主な内容】
第一章 生い立ち
第二章 国労運動と革同・共産党
第三章 安保闘争の嵐と国労本部青年部長の日々
第四章 決別への道程―運命の四・八声明
第五章 事業家として生きる
補 章 革同――複数の焦点
第六章 西へ、東へ――事業の展開
第七章 国鉄分割民営化
第八章 有機農業への道―生命の根本へ




シリーズ〈歴史教科書の常識をくつがえす〉最新刊
2008年8月発行

『徹底検証「新しい歴史教科書」第3巻中 近世編2』

川瀬健一/著
A5判 416頁 定価(本体3200円+税)



「本書が扱った時代は、江戸時代中期・将軍の代で言うと、4代家綱から10代家治の時代である。
 貨幣経済が全国を覆い、武家は米価低落で生活が窮迫し、百姓は商品生産農業への移行で没落の危険を孕む中、生活防衛・既得権防衛のために村共同体の自治を強化し、武家による年貢増徴を阻止した時代。このため社会の変化に対応してどのような新たな統治機構を確立するのかについて儒学者を中心として武家階級が様々な試行錯誤を繰り返すと共に、百姓・町人の中からも、新たな社会・国家に関する構想がつくりだされ始めた時代である。要するに、商人が経済を把握する中で、諸階級の利害衝突が激化し、明治維新による統一国家建設と市民社会形成が内的に準備され始めた時代の政治・経済・社会・文化が、本書が取り扱うテーマである」(「はじめに」より)


〈シリーズ:歴史教科書の常識をくつがえす〉
徹底検証「新しい歴史教科書」   川瀬健一/著
東アジア・境界域・天皇制・女性史・社会史の視点から

●好評既刊●

第1巻  古代編 定価(本体3000円+税)
  「大和朝廷」「万世一系」という虚構の背後に姿を現した日本古代史の実像

第2巻  中世編 定価(本体3200円+税)
  東アジア史・中世王権論の視点から光をあてたとき、中世日本のもう一つの姿が甦る。

第3巻上 近世編1 定価(本体3900円+税)
  幕府=封建的絶対権力、鎖国体制=世界と切り離された自給自足社会という虚構の背後に姿を現した日本近代史の実像。

第3巻中 近世編2 定価(本体3200円+税)
  江戸中期の検討で明治維新による統一国家建設・市民社会形成を内的に準備した時代の実像が浮かび上がる。

以下、順次刊行予定
 第3巻下 近世編3
 第4巻上 近代編1
 第4巻中 近代編2
 第4巻下 近代編3
 第5巻上 現代編1
 第5巻下 現代編2



2008年7月発行

『「在日」との対話――在日朝鮮人は日本人になるべきか』

玄善允/著
四六版上製 240頁 定価(本体2000円+税)



自己との対話、他者との対話を重ねながら、
「在日」の心のカタチをさぐる。
「帰化=幸福」論(関川夏央)の先に何がある?


【主な内容】
第一章 「在日小説」なるものについて
第二章 関川夏央の「在日小説」なるもの
第三章 李良枝の『由煕』評価をめぐって
第四章 在日朝鮮人は「在日文学」を読まないという説について
第五章 在日朝鮮人は日本人になるべきか
第六章 偉くなった物書き、あるいは民族主義について
第七章 「在日」内部へ
第八章 帰化



◎同時代社 玄善允の本◎

『「在日」の言葉』
在日朝鮮人として育った著者が、その後出会った骨肉の言葉。その一つひとつに、町かどの人々の意志を見、息づかいを聞く。「ザイニチ」「在日」「在日コリアン」と揺らぐ呼称の隙間に見えるものは何だろう? 定価(本体2000円+税)

『大学はバイ菌の住処か?』
大学には、ジョウキン(常勤)とヒジョウキン(非常勤)が棲んでいる! 大学の「日陰者」の愚痴、心情を通して、大学に生きている人間たちの姿を描くこと、それが本書のすべてである。 定価(本体1600円+税)

『マイノリティ・レポート――「在日」だから見える?』
「人権問題への議論回避的な対応など〈草の根保守主義〉を支える諸現象を淡々と内省的に記録する」(北海道新聞書評) 定価(本体1200円+税)



2008年6月発行

『社会運動の仁義・道徳――人間いかに生きるべきか』

樋口篤三/著
四六判並製 240頁 定価(本体1500円+税)



「道徳の崩壊」の中に現代の危機を見る著者が、苦難に満ちた半生を振り返り、自分の「正義」ばかりをふりかざす狭量な左翼・社会運動に、同様の病根がありはしないか、と指摘する。
「ゲバラは道徳の巨人」(カストロ)としたキューバ革命から学ぶものは何か。
渾身の力を込めて、人間の生き方としての〈仁義・道徳〉を語り、論じつくした。
――鈴木邦男氏との迫力対談「甦れ!西郷精神」公開。
――資料「平等のラディカルな倫理のために」(アダモフスキー)収録


【主な内容】
はじめに――本書の初心
第一部 私の原点
 第一章 六〇年の見果てぬ夢
 第二章 社会運動の視点
第二部 社会運動における道徳(モラル)
 第一章 日本社会における道徳の崩壊
 第二章 滅びの中から生まれる新たな道徳(モラル)社会
第三部 甦れ! 西郷精神(対談・樋口篤三×鈴木邦男)
第四部 「ゲバラは道徳の巨人」(カストロ)
 資料編 平等のラディカルな倫理のために(E・アダモフスキー)



2008年4月発行

『松崎明秘録』

著者:松崎明(元・動労委員長/元・JR東労組会長)
聞き手:宮崎学
四六判並製 定価(本体1400円+税)



《で、ホントのところはどうなんだ?》

 松崎明は組合運動指導者としては「多作」の人である。その中で本人は、何度も自分が「革マルではない」と言い、国鉄改革では「労働者の生活を守るために」闘ったと主張している。だが、そんなことは、ぜーんぶ「欺瞞」であり「裏切り」だとする声が収まる気配はない。で、ホントのところはどうなんだ? 宮崎学が突撃インタビューを試みた。
 以下はその一端である。

 ………………
《宮崎》僕は「反スタ」を言ったところが一番スタになっているじゃないかと、どうしても思えるんですね。まだ共産党のほうが、スタの度合いでいえば緩いんじゃないかというぐらいに思える(笑)。なぜそうなっちゃうんだろうか。

《松崎》たしかに革マルは、スターリン主義を批判しながら、自分たちがスターリン主義と同じものになっていってしまった、と言えると思いますね。スターリンだってね、自分でスターリン主義者だと思ってなかったんだ。革マルだってね、テメエがスターリン主義だと思ってねえんだと。だいたいそういうもんなんだ。
 ………………
《松崎》「俺は分派を創る」って言ったんですよね。革マルの中に分派をつくって、俺は俺で勝手にやる、なんてことを言って。……そうしてしばらくすると、黒田寛一さんの指令がやってくる。「あれはマズかったよ」と。こっそりと詫びを入れてくるわけですよ。ほんとは、俺に対する攻撃も黒田さんがやらせてるんですよ。私に言わせれば、トップが知らないで私に対して何かできるわけがないんですからね。
 ………………
《宮崎》その本多延嘉が一九七五年に革マル派に襲撃されて殺害された。あの事件のときに松崎さんは正直な気持ちとしてはどういうふうに思われたんですか。

《松崎》うーん。ヤバイなと思ったね。要するにあの頃革マルサイドが言ってたのは、あっちはこっちをやる計画を立てて実行に移そうとしているから、だからこっちからやらなければならない、とこういうような話なんですよ。……ただね、一九六九年に大江君という動労青年部長が日比谷の野外音楽堂で、中核にリンチされたことがあるんですよ。それで入院してね、そのときにね、もし彼が死んだら、俺は日本刀ぶら下げて行ってあいつらをぶった斬ってやるってね、周りに言った。ほんとにそう思っていました。


 インタビューは二人がくたくたになるまで続き、記録は膨大な分量となった。終わってみての編集者としての感想。ここには「すべて」が語られているとは思わない。しかし、ここに語られていることは、おそらく「ホント」のことだろう。少なくとも、松崎明の主観の世界としては。つまり、松崎は「本気」だったのだ。その「本気」から読者が何を洞察するか。これは別の問題である。(同時代社・川上徹)


第一部 革命と党を語る
第二部 労働者と組合運動を語る




2007年12月発行

『ザ・レイプ・オブ・南京
第二次世界大戦の忘れられたホロコースト

アイリス・チャン/著  巫 召鴻/訳
四六判並製  定価(本体2000円+税)



同時発売

『「ザ・レイプ・オブ・南京」を読む』

巫 召鴻/著  山田正行/解説
四六判並製  定価(本体1500円+税)



南京大虐殺70周年―。
●10年前、全米ベストセラーとなり、以降、邦訳版が出版されていないにもかかわらず、<論争>と<糾弾>の対象でありつづけた不思議な書。
●日本国内の「まぼろし」派からは<空前の偽書>とされ、「歴史事実」派からは敢えて<無視>されてきた問題の書。
●沈黙の壁を破って「完全翻訳版」ついに発刊!


 弊社はこの度「南京事件」70周年の年にあたり、1997年、米国で出版されたアイリス・チャン女史による THE RAPE OF NANKING の邦訳版(『ザ・レイプ・オブ・南京』巫召鴻/訳)を発行致しました。また、併せてその姉妹編として『「ザ・レイプ・オブ・南京」を読む』を同時発行しました。本書は、訳者による「訳注」と山田正行氏による「解説」、及び「資料」から成っているもので、日本人読者のために編集された、原著のための一つの「案内書」となっています。
 THE RAPE OF NANKING はアメリカで発行されるとともに大反響を呼びベストセラーとなりました。ところが、日本ではさまざまな不幸な事情が重なり、邦訳版が発行されないまま10年の歳月が経過しました。原著には、アイリス・チャンによる歴史的事実に対する誤認や勘違いなどが含まれているとされています。批判的論者は、それらの「欠陥」を並べ立て、本書全体が「偽書」であり、さらにはあたかも「南京大虐殺」は「まぼろし」であったとする言説の根拠にしている観さえあるようです。こうした言説は、良心的な研究にも少なからぬ影響を与えているように思われます。
 こうした状況は、原著の邦訳版が発行されていない事情のもとで起こったことは明らかです。そこで、弊社は言論人の一人として、とりあえず原著を「ありのまま」の姿で読者に提供しようと考えました。おそらく読者は、批判的論者によって歪曲され、あえて無視されてきたアイリス・チャンの全貌と出会うことができるだろうと考えます。判断はその上でのことなのです。私たちが危惧するのは、「自主規制」によってアイリス・チャンの言論自体を封殺してしまうことであります。賛成であろうと反対であろうと、「私はあなたがそれを言う権利を断固として護るだろう」とのヴォルテールの精神にみならって。全ての判断は読者に委ねられるべきであり、私たちはその機会を提供したいと考えたのです。
(同時代社編集部)


【梗概】
 本書は、アイリス・チャンが祖父母から聞いた「南京体験」の遠い記憶を契機とし、その後、彼女自身による歴史的事実の調査・検証・研究を重ねた結果、この事件を「忘れられたホロコースト」として、世に問おうとしたものであった。アイリス・チャンは「序」で書いている。
「本書は、関連しているが別個の、二つの異なる非道を描いている。一つは、南京大虐殺そのものであり、日本人が敵国の首都で、どのように何十万人もの無辜の市民を殺害したかの実話である。もう一つはその隠蔽であり、中国人やアメリカ人の沈黙に勇気づけられた日本人がどのように人々の意識から大虐殺全体を消し去ろうと試み、その結果、歴史におけるその被害者の適切な位置を奪い取ってしまったかについての実話である」
 ここでいう前者の非道について、本書は第一部で「南京への道」「六週間の暴虐」「南京の陥落」「六週間の恐怖」「南京安全区」の五章にわたり、時間の経過にそってつぶさに記録する。その実態は、まず日本軍兵士たちの証言、従軍記者の残した記録、裁判記録などをもとにした日本人の残した資料で明かされる。それは、日本の軍隊が何を行い、それをどのように行い、そしてなぜそれを行ったかの物語である。他方、中国人の立場からは、生き残った者たちの証言、残された記録などから、中国人自身の個々人の物語、敗北、絶望、裏切り、そして生残りの物語が浮き彫りにされる。日本では「虐殺者数」の問題が中心であるかのように議論されるが、著者は、暴虐の質の問題、暴虐の方法、形態についても重視して記録する。さらに非道の実態は、「国際安全区」にあって事態を目撃した少数の欧米人によっても記録された。彼らは身の危険を冒して、虐殺現場の中国市民の生命を救い、目前で行われている残虐行為を世界に向かって訴えた。中でも貴重な記録として、ナチ党員であったジョン・ラーベの「日記」を発掘したことはアイリス・チャンの功績であった。
 もう一つの非道については、アイリス・チャンは「戦後期に、アメリカ人やヨーロッパ人が、かつて自国の同胞たちが虐殺現場から語ったことに対して示したご都合主義的な無関心」として第二部で論じ、第三部では、半世紀以上にわたって、南京大虐殺を人々の意識から遠ざけようとしてきたさまざまの言説・勢力を検証している。著者にとって、事件は「忘れられたホロコースト」なのである。なお、本書には原著が収録した43点の写真を全点収録してある。


【アイリス・チャン】(1968年3月28日〜2004年11月9日)
イリノイ大学でジャーナリズムの学位を取得。シカゴで記者として勤めた後に、ジョン・ホプキンス大学でライティング・セミナー・プログラムの大学院研究員、ジョン・T・およびキャサリン・D.マッカーサー財団の平和と国際協調プログラムの賞を受けている。



【書評】

<「論座」2008年4月号>

<「まなぶ」2008年3月号>

<「ふぇみん」2008年2月15日号>
 本書は、アメリカで発表されてから10年もの間、日本国内での「論争」と「糾弾」の対象でありながら出版されていなかった完全翻訳版だ。
 著者は、単に虐殺された人数の正確さを求めることを意図していない。当時の日本や欧米の新聞、日本軍兵士や南京にいた外国人の手記、写真、聞き取りなどの膨大な資料から、南京での日本軍の強かん・虐殺の詳細な様子とその背景を明らかにする。中でも、同盟国ドイツのナチス党員のジョン・ラーベの膨大な手記を発見した著者は、「南京大虐殺を報じたのは連合国のメディアだから」で逃げようとする石原慎太郎を論破する。
 著者の追及は、虐殺の事実を「あいまい」にした戦後の政治状況にも及ぶ。虐殺を生き延びた人々は冷戦構造下で事実を歪められ、ラーベの手記はナチ党員を理由に戦後表に出なかった。事実を知っていたことが明らかになった昭和天皇は免責されたままだ。
 著者は、未来を見据えている。南京の教訓は現代のジェノサイド防止に生かされるべきだと。そして日本人の今後の指針にすべきだと。
 


哲学者・三木清が残した<遺産>とは何か。
2008年3月発行

『遺産としての三木清』

清 眞人、津田雅夫、亀山純生、室井美千博/著
A5判上製 定価(本体3800円+税)



「遺産相続とは、遺産を受け入れるばかりでなく、それをほかの仕方で投げ直す(=再起動させる)ことである」(ジャック・デリダ)

【主な内容】
第一部 批判的思索者のアイデンティティ――三木清の場合
第二部 『哲学的人間学』と『構想力の論理』とのあいだ
第三部 三木「親鸞」論の意義と問題性
第四部 最後の三木清
 三木清研究・参考文献目録




佐藤優が縦横無尽に語り尽くす!
2007年10月発行

『佐藤優 国家を斬る』

佐藤優/著=起訴休職外務事務官
コーディネーター:宮崎学=作家
四六判並製  定価(本体1143円+税)



■「国家主義者」佐藤優が「国家」と闘う論理。
■「官僚階級」による収奪の構造を衝く。
■「左翼」との、少し分け入った対話。


【主な内容】
反権力自由主義者としての佐藤優/宮崎学
「国策捜査」と時代の「けじめ」/佐藤優
現代日本の官僚階級/佐藤優
 対談 官僚階級の相貌/佐藤優・宮崎学


「強い国家というのは警察の力というものに頼らなくても国家が維持できるんです。検察が無理をするような国家というのは国家が内側から壊れているってことなんです。そのためにも社会から声を出して、彼らを助けてやらないといけない。検察や警察が無理をしないということが、究極的には彼らが長生きできる道にもなるわけですし、日本の国家に流れてきている血にもなると思うわけなんです」(本文より)


【書評】
<「サンデー毎日」 2007年11月11日号>
<「日刊ゲンダイ」より>



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