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お知らせ(2014年05月)

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『戦後左翼たちの誕生と衰亡』の書評が「図書新聞」(14年4月19日号)に掲載されました。


新旧左翼を貫いての真剣な試み
評者◆小嵐九八郎

■日本の労働者の四割ほどが非正規でかなりしんどい暮らしだけど、組合運動がこれに歯止めどころか対抗策も出せない、出す発想がないとか、治安維持法よりも細かい網を作った秘密保護法案が楽楽と成立しちまうとか、先の都知事選で国家主義を強調する候補が大量の票を集めるとか、昔気質の老人には地べた自体が消えるような感覚に陥る。加えて通信革命もあり、手書きで小説を書く俺がますます売れなくなり、それは才能と努力の不足で我慢するしかないが、電車の中で八割の人がスマホを手にして、公園のベンチで男女がスマホを相手の肩越しに操作しながら抱き合っているなど普通であり、いつ、直の感覚で自分と他者を認めるのか、ものごとを思考するのかと愕然とする。人類史は、大丈夫なんだろうか?
 ここいらは、たぶん、17世紀のデカルトの“理性こそ全て”、18世紀の産業革命“万歳”以来、人類が背負い邁進してきた道に由来するのだろう。それでも、この道には対抗者、抵抗者、反逆者が層を厚くして、熱い滾りを持ってきたことがある。
 どこから、対抗者、抵抗者、反逆者が熱さを失い、がくーんと減り、おとなしくなったのだろうか。浅知恵で思いつくのは1989年の中国の天安門“事件”による学生・市民への圧迫、同じく1989年のベルリンの壁の自壊に始まるソ連の消失だ。いや、客観主義的には語れないけれど、新左翼の党派闘争、そう、“内ゲバ”の累累たる死者の数か。
 奈辺を当方などより前向き、積極的、実践的に何とかしようとしている人、1964年から66年まで民青系の全学連委員長で共産党の“新日和見主義”で査問され、離党した川上徹さんが、10人のかつての社青同協会派の幹部、赤軍派のゴリ、フロントのトップ、社青同解放派の活動家、中核派の元政治局員、共産党の元党員らを聞き取り、『戦後左翼たちの誕生と衰亡』として出版した。売れてほしい。
 新旧左翼を貫いての真剣な試みは初めてと俺には映った。そう、謙虚に“次”を探ろう。

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