同時代社では1993年以来、毎年一冊以上、「沖縄」に関する書籍を発行してきました。その一覧は別表の通りです。 

1993.01『アメリカンスクール』(末吉節子)

1993.05『沖縄入門』(比嘉康文・岩垂弘)

1994.05『沖縄ヤマト人物往来録』(国吉真永)

1994.05『広津和郎 さまよへる琉球人』(仲程昌徳解説)=品切

1994.06『台湾支配と日本人』(又吉盛清)=品切

1995.11『沖縄における米軍の犯罪』(福地曠昭)

1996.11『基地と環境破壊』(福地曠昭)

1997.11『戦後の沖縄を創った人・屋良朝苗伝』(喜屋武真栄)

1998.07『沖縄で暮らす』(太田息吹)

1999.04『基地と人権』(福地曠昭)

2000.01『石垣島唐人墓事件』(田島信洋)

2000.05『増補改訂 沖縄で暮らす!!』

2000.10『沖縄史を駆け抜けた男』(福地曠昭)

 

【初めて沖縄とつき合う方への案内書】

『沖縄入門』(四六判ソフトカバー280頁 本体1262円)

 本書は、比嘉康文(沖縄タイムス記者)、岩垂弘(朝日新聞編集委員<当時>)両氏の編により沖縄県内各界の人々17氏によって分担執筆されたもの。近年増加しつつある本土高校生の沖縄修学旅行用テキストとして活用されることを願って発行された。そうした読者の視線を意識して、写真や図版を多用して分かりやすく編集されている。その際、げんに沖縄で暮らしている人々の実態を理解してもらうために、生活、風習、文化、歴史などについてかなりの頁数を割いている。沖縄は琉球の名で、「海洋国家」として、本土とはかなり違った歴史をもっている。また、沖縄は数多くの離島群で成り立っている。また、沖縄の自然は亜熱帯気候のもとで豊かな自然に恵まれている。そうした沖縄の特色と魅力について、それぞれの専門家が独立した章を設けて執筆している。弊社のロングセラーとして版を重ねている。沖縄への旅行計画を立てている方へお薦めの本。

 

『沖縄で暮らす!』(四六判ソフトカバー204頁 本体1500円)

 31歳の地方公務員であった著者が、遊びに行った沖縄の魅力にとりつかれ、ついに妻とともに移住してしまったというお話。移住計画を立て、就職試験を受け、ついに夢かなって計画が完了するまで。移住した本土の人間が初めて体験するとまどいや驚きなどが素直に書かれている。旅行者としては分からなかった、住宅、言葉、衣服、食事、トイレ、物価、交通、生活時間など、生活に密着した情報が「生活者」の視点で描かれている。いまは一家そろって「沖縄県人」。本書は那覇空港内にある書店でよく売れている。発行以来一年間で四回増刷している。

 

 

【「沖縄と人権」三部作】

『沖縄における米軍の犯罪』(四六判ソフトカバー270頁 本体1600円)

『基地と環境破壊<沖縄における複合汚染>』(四六判スフトカバー228頁 本体1553円)

『基地と人権<沖縄の選択>』(四六判ソフトカバー224頁 本体1800円)

 以上三点は福地曠昭氏の三部作です。福地氏は沖縄で中学・高校教員を経て教職員組合の委員長として、祖国復帰運動で活躍、そのさなか、右翼によって命を狙われ重傷を負った。現在、沖縄人権協会理事長。沖縄戦を身をもって体験し、戦後は荒廃した教育現場の復興のために尽力した。環境・生活問題も広く人権の問題としてとらえ、危機にある沖縄の人権問題を総合的に訴えている。

『沖縄における米軍の犯罪』は、95年9月に発生した米軍兵士による少女暴行事件を機に緊急出版されたものだったが、著者がそれまでに系統的に記録・収録してきた「米軍の犯罪」を犯罪の形態によって一覧・整理したところに特徴がある。つまり「射殺・射傷」「輪禍」「強盗傷害」「婦女暴行」「爆発・薬禍」「虐殺」等の犯罪を、歴史的にまとめたのである。

『基地と環境破壊』は、主として環境面から米軍基地の存在が果たしている実態を収録・分析している。「騒音被害」「水質汚染」「土壌汚染」「山林被害」「遺跡・文化財の破壊」等の項目に分け、詳細に記録している。

『基地と人権』は三部作の完結編。本書では、著者が「沖縄における人権」のテーマになぜ取り組んできたのか、自分の半生を振り返りながら、自らの選択と沖縄の選択を重ねながら問うている。全国最貧県としての貧しさから抜け出すために、基地の存在を受け入れざるをえなかった「苦渋の選択」の意味がよく分かる。