| (1)廃棄物のカサを小さくする ● 改善前 注射針など血液の付着した医療用廃棄物を如何に安全に、そしてコストを抑えて処理するかは医療業界全体がかかえる大きな問題だ。 この病院では、患者に依頼して、専用の一斗缶に捨て、それを引き取ってもらっていた。 悩みはすぐ専用缶が一杯になること。みるみる廃棄物で盛り上がってしまうのだ。一缶あたり350円(1992年当時)という廃棄処理料も気になる。何かで(例えば、安全靴などで)上からギュッと押さえれば、もっと詰め込めることはわかっているが、なにぶん血液のついた廃棄物だけに慎重になってしまう。ゴム製のラバーカップでグイグイと押さえ込んだりしたが、注射針がカップに刺さったりも。 ● 改善後 そこで、写真のような押さえ治具(鉄製)を考え、図面を書いて、工場で溶接して作ってもらった。 最初は押さえ部分が円形だったが、これでは缶の角の部分が押さえられずに残る。缶の形に併せて四角形にしたらうまく隅々まで押さえられた。また、目につきやすく、錆びなどを防ぐために黄色い塗料を塗ってもらった。 「缶から盛り上がっている状態の廃棄物が、一押しで5センチくらいへこみます。とっても重宝しています」 看護婦さんは大喜び。廃棄物処理代金もほぼ半減した。 現在のものは押さえることにポイントを置いているが、さらにこれを改良して、廃棄物をこなごなに粉砕し、体積をもっと小さくできるものを考案中。 (2)ナースコールを自力で押せる工夫 入院患者さんのベッドサイドにはナースコールが設置されている。 ところが、手や指の力が弱った患者さんにとっては、このナースコールを押してもらったりしているが、これが夜中であったりすると、頼む方も頼まれる方も大変だ。何とか独力でナースコールを押せないものかと考えた。 ■ 改善1 最初は検尿用の紙コップにナースコールをセロハンテープで留めて安定させてみたが、これでも患者さんにとっては難しかった。 ■ 改善2 そこで、簡単にナースコールが押せる工夫をした。これは、ナースコールを発砲スチロールとダンボールでカバーし、押す面を大きくしたもの。これだとナースコールを掌全体を使って押すことができるので、少々指が不自由でも何とかできる。 「患者さんの中には、手を動かせないけれど足なら自由になるという人もいます。そういう人のためには足で押せるように位置や形を変えたりして。少しでも自分で動作することが機能回復にも役に立ちますから」 もちろん患者さんは大喜び。ダンボールや発砲スチロールなどの材料はふんだんに院内にあるので、この設備は転院や退院の時に気前よく差し上げているという。 (JR広島鉄道病院) |